ヘルメットを返却する際にスタッフに感想は伝えましたが、ブログにも書いておこうと思います。 大会側としては装着義務化を検討しているそうなので その参考になればと。 先に断っておきますと、つまらない内容です。 しかも、かなりの長文… っていうか、すんごい毒のある文章になってて、 私の狂人ぶりが遺憾なく発揮されてるからね! 気をつけて! 毒のある文章を読みたくない方は、ここでお別れだよ! いい? それじゃあ書くよ! ■ レース前は楽観していた そもそも私は仮装で長距離レースに出る、 頭のおかしいランナーだ。 仮装の時は、大銀杏のズラをかぶっている。
これは厚さ約3mmのゴム製で、透湿性はゼロ。
どこにも穴は空いていないので、通気性もゼロ。 前回はそれをかぶったまま頂上まで行ってるし、隠岐の島のような暑い100kmも走ってるし、100マイルも200マイルも走っている。 何が言いたいかというと、 かぶり物に対して、かなり慣れている。 しかも今回はヘルメット対策として インナーキャップをかぶった。 なので、今回のヘルメットは 大丈夫だろうと楽観していた。 ■走ってみた率直な感想 ・事前の予想よりも、かなりキツかった。 ・普段の仮装レースは100km以上のロングなので走るスピードが遅い。そのため心拍はそこまで上がらない。しかし富士登山競走はゼエハアしまくりで心拍振り切れる感じになる。その状態でのかぶり物は、頭の熱のこもり方がだいぶ違った。 ・ヘルメットに穴は開いているが、通気性がいいとは感じられなかった。インナーキャップは逆効果だったかもしれない。湿度が高かったこともあり、ヘルメット内は蒸し暑く不快だった。 ・ヘルメットをかぶったままでは「頭の水かぶり」ができない。装着&脱着が面倒くさいのと、時間をロスするのでやらなかった。そのため、かぶりっぱなしで五合目まで行くことになり、不快な状態でのランとなった。 ・とはいえ、今回のような曇りであれば(関門を通過していれば)頂上までかぶり通しても何とかなった気はする。 ・一方で、もしカンカン照りだった場合は暑さに耐えられず、途中でスタッフに返却したと思う。 ■ ヘルメット装着に関する論点 ・そもそも何の対策なのか 「落石」と「(噴火時の)噴石」の2点。 送付された大会案内に、この2点の記載があった。 「落石対策」だけであれば、(極論を言うと)落石が起こりうる区間だけかぶっていればいい。五合目コースはヘルメット不要。 「噴石対策」だけであれば、レース中に携行していれば、かぶる必要はない。ただし五合目コースもヘルメット携行必要。 両方であれば、全選手が常時携行して、落石の懸念がある区間はかぶる必要がある。 ・(義務化の場合)脱いだランナーは失格にするのか 義務化するのであれば、装着していない選手を失格にしないと意味がない。つまり監視するスタッフが必要。 五島列島を最後に卒業したけど、トライアスロンのバイクではドラフティングをチェックする監視員がいた。あんな感じ。 コース脇に一定間隔で監視員を設置し、脱いでいたランナーを発見次第、即失格にできる権限を与える。または救護ランナーとは別に「監視ランナー」を走らせる。 そうしないと脱いでいるランナーが得をする「脱ぎ得」が起きてしまうし、ほとんどの選手が脱いでしまって義務化の意味がない。 例えば、ヘルメットを被り続けてる1位の選手を、ヘルメットを脱いだ2位選手が追い抜いて優勝、ということもありえる。 これではレースの公平性が損なわれる。 装着義務のある区間を長くすればするほど、大量の監視スタッフをコース中に設置することになる。大変。 かぶる区間は、落石が懸念される必要最低限のエリアだけにした方がいいと思われる。 ・落石が起きるリスクのある箇所はどこか 「5合目以降は全て起きる可能性がある」とリスクを過大に見積もってバッサリ決めてしまうのは簡単だけど、前述の通り監視スタッフが大量に必要となるし、着用時間が長くなればなるほど熱中症の危険性も増す。 できれば、必要最小限のエリアだけ着用を義務付けて、落石も熱中症も防ぐようなバランスに配慮してほしい。 ・頭に載せてるだけのかぶり方はOKなのか? ヘルメットを頭に軽く載せただけにして、頭とヘルメットの間にスペースを多めに作ると、熱がこもりづらくなりランナーとしては助かる。 ただ、落石対策という意味ではダメなかぶり方だ。 あごひもを最大限伸ばした状態でバックルを閉めて頭に軽く載せて深くかぶらない、ということをやるランナーは多い気がする。 バックルを閉めているかどうかは監視スタッフもわかるけど、こうなると取り締まりようがないから放任するしかないか… ・レンタルか、購入か 大会側で一括で購入して、レース当日の朝に貸し出す方式もある。 この場合は、返却しないで持ち帰ってしまった場合に備えて、参加費にヘルメット費用分を上乗せして、レース後に北麓公園でヘルメットを返却するとその分を返金する、といった手間が必要。 たとえばヘルメット代を5000円とした場合、4000名分だと2000万円(!)の現金が必要で、盗難含めて現金管理に細心の対策がいる。 などと考えていくと、購入方式のほうがいいように思う。 ・ヘルメットは大会側で指定するか、選手が選ぶか 各選手が選ぶ場合、スタート前に必要規格を満たしたヘルメットなのかどうかのチェックが必要。 7時前に2500名のヘルメットチェックをするのは混乱をきたすおそれがある。 そのため大会側で1種類を選定して、一括購入後に選手宛に発送するほうがいいように思う。 ・ヘルメットに求められる機能はなにか 落石対策目的だけなら、厚労省の保護帽規格「飛来・落下物用」でいい(と思う)。 噴石防止については、どの程度の耐貫通性能を必要とするか次第。 「どんな噴石が飛んできても大丈夫!」とリスクを過大に見積もると、恐ろしく頑丈なヘルメットが必要となり、たぶん「折りたたみ式」にそんなものはない。 どこかで線引きが必要。 ・ゴール後のヘルメット所持チェック これをやらないと、スタート時は持っていたものの、コース中に捨てて走ろうとする選手が出てくるかもしれない。ランナー目線では少しでも軽い状態で走りたいので。 ・給水所の増設は可能なのか ヘルメット装着区間は熱中症リスクが高まるため、 かぶり水できる場所を増設した方がいい。 ・万が一、熱中症ランナーが大量に出た場合に救護できるのか 日陰がほぼない岩場エリアは涼しい場所に避難することが出来ない。 現状の救護ランナーは水をたくさん持っているわけでもないので(ですよね?)、水を飲ませたり、体にかけて冷やしてあげることも出来ない。 そうなると、自力で歩けない熱中症ランナーがいたら、救護ランナーにできることは最寄りの小屋までかついで上ることくらい。 岩場で…? 可能なのか…? そう考えると、コース脇に2リットルの水を入れたペットボトルをたくさん配置して、ランナーは自由に使って良いことにするとか、5リットルくらい水を携行してヘルメット装着区間をウロウロする「水ランナー」が必要かもしれない。 あとは熱中症ランナーを一時的に日なたから避難させる小型テントを、小屋と小屋の中間地点あたりに設置する。 2015年や今年のように曇りであればいいが、カンカン照りだった場合を想定すると、そういう準備も必要。 ・ゴーグルとマスクも必要なのか 大会案内でも推奨されていたが、「噴火」を意識するのであれば必須。小さいし、重くもないので、ヘルメットを義務化するのであれば、一緒に義務化しても大差ない気はする。 ・トップ選手に熱中症が発生するリスク もう5年前になるが、砂漠レースに出た。気温が高いので熱中症になるランナーが出てくるのだけど、大きく3タイプに別れる。 A)熱中症の感覚がわからないランナー:対処を始めるのが遅いため、回復に時間がかかる(または回復できずリタイア) B)対処がマズイランナー:日陰で休む、水を体にかける、水を飲む、をやらない。 C)優勝を争うようなトップ選手達:ヤバイとわかっていても休んでいるわけにはいかない。 今大会の男子優勝選手もゴール後にぶっ倒れていたが、優勝を争うようなランナー達は限界までプッシュする。たとえヘルメットをかぶっていて、頭がぼーっとしてきて、ちょっと痺れが出てきたりしたとしても、行きつくところまで走ってしまうだろう。なので一般選手よりもリスクは高い。 ・このレースの特殊性 富士登山競走は完走率が5割で、ほとんどのランナーは時間に追われる。ファンランという人はほぼいない。なので上記で「トップ選手は熱中症リスクが高い」と書いたが、一般選手もギリギリまでプッシュする人が多く、熱中症の症状を自覚しても、そのままレースを続行する選手が多いと思われる。危険。 ・鍛えられない たとえばレース前にヘルメットランを繰り返しておけば慣れるだろうか。私はそうは思わない。「暑熱順化」で体を暑さに慣らすことはできても、「脳が長時間暑い状況になる」というのは回数を繰り返しても耐えられるようになったりはしない、というのが仮装ランナーの私の意見だ。 それでも義務化が決まった場合は、7月になるとヘルメットをかぶったランナーが皇居を走ったりするのかもしれない。 子供「ねぇママ、なんであのおじさん、ヘルメットして走ってるの?」 母親「さぁ…。いい? ああいう怪しい大人の人が近づいてきたら逃げなきゃダメよ」 といった光景が見られることだろう。つらい。 ■ランナーとしての私の希望 ぐだぐだ書いてきたが、私の本音は、 「今まで通り走らせてよ! 落石で怪我しても、噴石で死んでも自己責任なんだし、大会の責任じゃないよ」 これに尽きる。 今回のように「推奨」で良くない? まあ、今回、自前のヘルメットをかぶったランナーは2人しか見かけなかったけど(その内の1人はバイク用ヘルメットだった…)、大会としては警告した上で推奨もしてるわけだから、何かあってもランナーの自己責任でいいじゃない? そもそも落石を懸念するほどの岩場なのか? 例えばね、アンドラのComapedrosaくらいの岩場を駆け上るレースだったとしたら、これはもう、大会が推奨しなくても自発的にヘルメットをかぶる。 間違いない。 でも、富士山はこういう岩場ではないし…。 まあ、噴火リスクがあるのはわかる。 噴火した場合、ヘルメットを持っていれば多少は生存確率上がるだろう。 だから、噴石対策として全選手に折りたたみヘルメット携行を義務化&かぶる必要はない、ならわかる。 かぶらなくてもよければ、熱中症の危険性はないし。 落石が怖いランナーは自主的にかぶればいいだけだ。 ほとんどいないと思うけど。 しかし、以上はランナー目線の一意見だ。 時代は変わる。 いろいろ外野からの意見もあるのだろう。 「ランナーのみなさんの安全を考えて忠告してるんですよぉぉおお!」 「私はね、別にいいんですよ? でも世間的に見たらさぁ、やっぱ登山はヘルメットかぶったほうがいいんじゃないのぉぉおお?」 「つーか、そもそも山は走るもんじゃないぞー! トレラン反対!」 「そーだ! そーだ!」 など言ってくる外野が一定数いることは想像に難くない。 UTMFも富士山1周ではなくなってしまったし、詳細は知らないけど、あーだこーだといろいろ言ってくる人達に配慮し続けると、こうなるよね… 静岡はほぼ通らないコースになるようで、静岡の一部の方々はさぞ喜んでいることでしょうな… そもそもこの大会は、1.5万円も払って、仕事を休んで、夏の暑い時期に4.5時間以内で山頂まで行こうとする上に、さっさと下山してしまう頭のおかしい人達と、その狂ったランナーをサポートしてくれるありがたい大会運営の方々が年に一度、富士吉田に集うお祭りだ。 レースに関係ない人達に迷惑をかけることはない。 外野の方々には「ほっといてくれ」と言いたい。 が、大会運営側は、お節介な意見があるたびに 「おっしゃる通りですね…」 「ご意見ごもっともです。検討します…」 と言うしかない。 まあ、御嶽山のようなことが起こりうる可能性は常にあるわけで、遅かれ早かれ対策は必要なのだろう。 このレースはNHKや民放でも取り上げられる知名度の高すぎるレースでもあるし、先駆的に取り組む意義もあるのかもしれない。 ということで、落石も考慮してかぶることも義務化した場合の現実的な案を書いてみます。 ■ 私の考えるヘルメット装着義務案 大会側で折りたたみヘルメット・マスク・ゴーグルを一括で購入。選手はその3品セットのレース中の携行が義務。 他の種類のヘルメットは認めない。 3品セットはRunnetエントリー時に、同時に購入できるようにする。 3品セットは事前にランナーへ発送し、当日持ってくるのを忘れた場合は現地で再購入しないと出走できない。 義務化してから2年目以降は、 既に持っているランナーは再購入する必要はない。 当日は6時15分から、3品セットを持参しているかスタッフがチェックをしたあと、スタートエリアに入れるようにする。 ヘルメット装着義務区間は、7合目から8合目の岩場エリアのみとし、それ以外の区間の着用は「義務」ではなく「推奨」とする。 ヘルメットを装着して、あご紐のバックルを締めた状態でないと義務区間には入れず、入口にいる監視スタッフは装着しないで進んだランナーを即失格にできる。反論は認めない。 義務区間のコース脇には水の入った2リットルのペットボトルがたくさん置いてあり、選手は必要に応じて使ってよい。ただし無くなっている場合もあるので遅い選手は過度に期待しないこと。必要な水は各自携行することが基本。 給水所の前後10mはヘルメットを外しても良い。 頭から水をかぶるなど、冷却に努めることを推奨する。 暑さなどにより、一時的にヘルメットを外すことは可能だが、外したまま前進するのはNG。監視員および監視ランナーに見つかった場合は即失格となる。 ゴール後は3点セットを携行しているかチェックがあり、いかなる理由があっても持っていなければ失格、そして二度と富士登山競走には出走できなくなる。 こんな感じだろうか。 走ったことはないけど、その昔、武尊山の「山田昇記念杯登山競争大会」では10kgの重りを背負うことが必須だったそうだ。 それと比べればさ、楽じゃない…? (そう思わないとやってられない感はある) 仮に富士登山競走でヘルメット義務化が取り入れられた場合、UTMFなどの富士山近隣で開催されるレースにも波及しそうな気もする。 まあUTMFの場合は、元々バッグを背負っているから、「ちょっと必携装備が増えるだけ」っていう感じで、携行するだけならそれほど気にならないと思うけど。 以上、末恐ろしい長文を書いてしまったのだけど、 最後にこれだけ書いて終わりにしたい。 たとえ、 「スタートからゴールまでヘルメット着用が義務」 という酷なルールになっても、また走りに行くよ! (でも来年はお休みするからね!) 富士登山競走、大好きだっ!!! < 戻る |
by おすもーさん
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