(スパルタスロン編を最初から読む) ほうぼうの体で、NEMEAに到着。 まず、荷物を引き取って、ハンドライトを神に奉納。 ミッション完了! まずイスに座って、お粥とクエン酸ゼリーを食べる。 食べながら、Goproの電池とSDカードを交換。 Goproの電池蓋がなかなか開かずイラつく。 これ、いつも苦戦するんだよな… そのあとマッサージを受ける。 おじさんに依頼して、うつぶせになり、 主にハムストリングスを10分くらい揉んでもらう。 で、終わって、起き上がると やってくれてたのが美人のお姉さんだったと気づく。 いつの間にか交代していたらしい。 どうせなら、 「美人にマッサージされてる♡」 と思いながら、10分過ごしたかったぞ。 なんか損した気分…? ハムストリングスはいい感じにほぐれた。 しかし、大腿四頭筋は、相変わらず硬いまま。 というか足が冷えてしまい、むしろ悪化。 これ以上ないくらいバッキバキ! エイドには15分の滞在で、貯金45分で出発。 上り基調の道を歩いていく。 前後にランナーは誰もいない。真っ暗。 エイドを出て、20分くらい過ぎた頃、 「ありがとう、これ~」 ハンドライトを片手に、神がうしろから走ってくる。 もう先に行ってると思ってたが、 胃をしっかりマッサージしてもらってたそうだ。 マッサージが効いたようで、表情が晴れやか。 上り坂なのに全く意に介せず、颯爽と走って行った。 羨ましい! 神と会ったのはこれが最後となった。 そして神はその後、軽やかに完走されました。 さすが神! 127.3kmの第36エイド「OASIS TAVERN」に22:55到着。 到着時点で45分の貯金。 ほとんど歩いた割に貯金が変わらなかった。うれしい。 エイドのイスに腰掛けてりんごとオレンジジュースを。 もう、定期的に座って足を休ませないと、 走り続けられない。 エイドを出てからも、 3分走ったら、5秒歩いて都度休ませることにする。 NEMEAまでは神に引っ張ってもらったが、 今は自分でどうにかするしかない。 それにしても、足が痛ぇ… 129.3kmの第37エイド「CHURCH ON RIGHT」に23:16到着。 44分の貯金。1分減った。 歩きがだいぶ増えてる割に 貯金がそれほど減ってないのは朗報。 ヘッドライトの明かり以外に何も見えない。真っ暗! 132.5kmの第38エイド「UNDERGROUND JUNCTION」に23:52到着。 到着時点で43分の貯金。 また1分減った。すこ~しずつ減り続けてる… エイドに着くなり椅子に座って、 自分で足をマッサージしてみる。 全然ほぐれない… 筋肉がカッチカチで為す術がない。 自分でちょっと揉んだところで効果なさそう。 右のアキレス腱が痛み出してきたので、 エアサロンパスをかける。 だいぶ冷えてきたので、 温かいコーヒーをもらって出発。 このあたりの区間は、 キロ10分ペースで行けば、貯金を減らさずにすむ。 キロ10分なんて、普段であれば ジョグにもならないようなペースだ。 しかし、それ以上に足がへたってしまっていて、 キロ10分も危うい状況。 ピンチ! 道は砂利道に入り、 つまづきやすい石と穴のでこぼこがある。 転ばないように路面をよく見て 走ったり、歩いたり。 大腿四頭筋の痛みがひどくて、 片足で体重を支え続けられない。 さっきまでは3分走ったら5秒歩いていたが、 1分走ったら10秒歩くようになる。 歩き過ぎなんだけど、もうどうしようもない。 しんどい! 遠くの左手に街明かりが見える。 あれが次のエイドかな… 135.5kmの第39エイド「SMALL SHRINE」に24:26到着。 44分の貯金。1分増えた! ちょっとでも嬉しい。 足が絶望的でメンタルがやられてるので、 ちょっとでも嬉しいことがあると、素直に喜べる。 こんな深夜なのに、中学生か高校生くらいの子供が 数人いて、荷物や飲食物を運んでくれた。助かる。 ブロックバーと、きびだんごを食べる。 あと、コーヒーと水。 カフェインで体が元気になってくれるといいんだけど… 眠くはないけど、カフェインの覚醒作用に期待して、 エイドでコーヒーをガンガン飲んでいくことにしよう。 引き続き、単調な暗闇の道を進む。 たまにサポートの車が横を通る。乗りたい… こういう退屈気味のときも、普段であればラジオを聞いてごまかせるけど、このレースはイヤホン禁止。 普段のレースで、 ラジオにいかに助けられているのかを実感する。 何もせず走っていても、気分が滅入るだけなので 気晴らしに、歌うことにする。 「あのひー、パパと二人でー、語り合ったさー」 なぜか、”グリーングリーン”を歌い出す。 そういえば、親父は元気にしてるだろうか。 「語り合った」といえるほど話したのはいつだろうか? ギリシアでアホみたいに走るよりも、 父親と語り合うほうが良い時間の使い方ではないか? ・・待て、そんなことは帰国してから考えればいい。 今は走るんだ。 「そして知ったさー、 この世につらい悲しいことがあるってことをー」 つらい悲しいこと。 それはまさに今の状況だ。 ギリシアで知った。 大腿四頭筋がこんなにひどい状況になるってことを。 「つらく悲しい時にもー、ラララ泣くんじゃないとー」 わかった。泣かないよ… 「いつか僕も子供とー、語り合うだろー この世に生きる喜びー、そして悲しみのことをー」 いつか子供にこのレースの事を話す日はくるだろうか。 いや、それはないな。 歌いながら、いちいち歌詞に自分で突っ込みながら、 暗い夜道を走っていく。 それにしても、 もうちょっとマシな選曲ができないものだろうか。 この歌、暗いよね。 上で見切れているけど、おぼろ月夜だった 139.7kmの第40エイド「MALANDRENIΙ」に1:08到着。 42分の貯金。2分減った… 大きなエイド。サポーターがたくさんいる。 着くなりイスに座って、コーヒーを注文。 これまでブラックで飲んでたけど、 砂糖を1杯入れてもらう。糖分補給。 アキレス腱が痛いのは、 靴紐がキツイせいではないかと思い、緩める。 すると、すぐに効果がでた。 もっと早く気づけば良かった。 こういう明るい道は、エイドの前後だけ 単調な砂利道を進み続ける中、 この区間で頭にリフレインし続けたのが、 「スコーン、スコーン、湖池屋スコーーン!」 というフレーズ。 なぜだ。 スコーンを食いたいのか、オレは? こんな海外の夜道で思い出させる、湖池屋、すげぇ! |
by おすもーさん
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11月 2017
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