毎年苦悶する、馬返しの手前…
2年ぶりに富士登山競走に行ってきました。
2015年は壮絶なDNS、2016年はお休みしたので、今年走らないと山頂コースの参加資格を喪失してしまう、というのが参戦動機。 毎回走るたびに、 (なんで… 1万5千円払って… 坂を上ってんだ…) ってなるので、毎年出ようとは思わないんですけど、ゴールが日本一高い場所ということもあって、完走の達成感はものすごい。 たまに走りたくなる。 自分としては5年に1回くらいでいいんだけど、五合目コースから走り直すのは嫌なので、最低でも3年に1回は走らないといけない。 ということで、今回の最低限の目標は 五合目に2時間20分以内で着くこと。 あとは、友人に途中で追いついたら喝をいれ、 余裕があれば上りながらライブ放送したい。 そんな感じのモチベーションで行ってきました。 今回は先に結果を書きますと、 五合目の関門に3分間に合わず、DNFでした。 ということで、 「ここをこの時間に通過すると間に合わないんだな」 と、反面教師にしていただけると幸いです。 _ _ _ レース前日の木曜は午前で仕事を終え、 午後に機材屋でスタビライザーをレンタル。 思ってたよりも重い! ずっしりくる… これを抱えて走ろうとしてたのか、オレは。 ムリゲーじゃね…? 新宿からバスに乗り、富士山駅へ。 ランナーらしき人がたくさん乗ってた。 車内でスタビライザーの使い方を覚える。 起動前にスマホを水平状態にするのが難しい… 富士山駅に到着後は、宿に直行。 明日の荷物準備をしたあと、 スタビライザーをバッグに入れて走ってみる。 今回は2014年に使った、 怪しい中華製バッグを背負うことにした。
で、走ってみたんだけど、、、 すごく揺れる。そして痛い! まず、スタビライザーがバッグに収まらず 取っ手が飛び出しているので、揺れがヒドい。 あと、スタビライザーは変な形なので 背中に出っ張った部分が接触して、痛い。 (これを背負って頂上に行けるのか…?) 自分のやろうとしてたことが無謀だと判明。 レース前日に。 当日の服装をどうするか決めかねていたんだけど これはガチの格好で走らないとレースにならん。 ということで、全身タイツはやめて、 レース後に着る予定だったTシャツで行くことに。 猛烈に不安を抱えたまま、21時に寝る。 レース当日(金曜)は5時起き。よく寝た。 赤飯やグラノーラなど朝食を食べてから、 着替えて、トイレですっきり出して、宿を出る。 6:20にスタート地点の富士吉田市役所に到着。 友人と落ち合う。
6:25。閑散。
6:30。ぎっしり。
6時半に交通規制が始まるやいなや、
健脚ランナー達が一斉に並びだす。 (すげぇ…) その様子を遠巻きから、ぼんやり眺めてから ドロップバッグ2袋(五合目・北麓公園行)を預ける。 アミノバイタルのジェルを配ってたので もらって飲んでおく。ありがたい! シューズの紐を結び直す。 今回のシューズはこちら。 昔はレースを年に19本走ったりしてたので使い古しのシューズがあったんだけど、最近はそんなに走らないので、使い古しがない。 安くて軽いシューズをAmazonで探して、 これにたどりついた。インソール込で220g。 15%OFFのクーポン配ってるときに購入。2700円。 この値段なら、まあ1回で使い切っても許容範囲。 靴紐を結び直したあと、ICチップを装着。 2年前はこれを忘れて、茫然自失になったからな… 準備運動してから、18:45にヘルメットを取りに行く。 レース前に急募していたので協力することにしていた。 ヘルメットはモンベル製。 今回、約50名ほど協力者がいるそう。 この時間で、まだ15コくらい残っていたので、 実際にかぶって走ったのは40人くらいかもしれない。 で、頭にかぶせてみたところ、 ヘルメットが入らない…だと…? (そうか、ダイヤルアジャスターを緩めるんだ) と気づいて、最大限にゆるめてみたものの、、、 キツキツ。 えっと…。 たぶんフリーサイズだと思うんだけど、それって頭の大きい人でも入るようになってんじゃないの? モンベル…? 【レースの気付き】 頭がでかい いや、まあ、頭というか顔が大きいのは知ってたけど、それをレーススタート前に強制的に再認識させなくてもよくない? モンベル…? 気を取り直して、スタート地点に向かう。
Goproをしっかりセットできるのは利点
スタビライザーにスマホを横にセットして、
道路脇でLINE LIVEの中継を始める。 で、あとでアーカイブを見て気づいたんだけど、 【レースの気づき】 LINE LIVEは縦動画 スマホを横にして配信してた! 早朝から見に来てくれた方、すみません… 宮下さんの選手宣誓を放送していると、 お嬢さんが登場。 「私は今年で引退しますが、 皆さんは10年後も20年後も頑張って下さい」 笑った。 20年後もこのレースに挑める体と脚を維持していたいものだ。 「今日のビールは美味いぞー!」 「 エイエイオー!!!」 で気合を入れ、宮下さんのパートが終わってから、 Cブロックのほうへ移動。
前のほうは、みっしり。
私はCブロック最後尾から。広々!
7時にスタート。さあ、逝こーか!
天候は曇りだけど、女性MCによると、
「山頂は晴れだそうです。 ぜひご来光をその目で確認して下さい!」 とのこと。上は晴れてるのかー。
スタートロスは1分40秒。
Cブロック最後尾でも2分かからないんだな。 ゆるりと走り出す。
「がんば~れっ、がんば~れっ」
幼稚園児、かわいい!
浅間神社を15:47で通過。よし、悪くない。
激混みの給水所。奥側でさっと水を1杯飲む
ロードを淡々と上っていく。
スタートから30分が過ぎると、 胸が痛くなってくる。 昨夜の練習でバッグが揺れるとわかっていたので、バッグのベルトを限界まで締めていたため、肺が圧迫された影響だ。 (呼吸が… 苦しい… ) しかしベルトを緩めればスタビライザーが揺れて 体への負担が激増する。 そこで、指でベルトを一時的にちょっとゆるめて 深く呼吸を繰り返す。 これを定期的にやることにする。 レースに不必要な苦労を強いられてる気がするが 自分で勝手にやってることなので文句言えない。 つらい。
中の茶屋に42分で到着。
良くも悪くもないタイム。 湿度が高くて頭が蒸れているので、 頭から水かぶりをしたい。 けれど、ヘルメットを外さないといけない。 冷静に考えれば、ヘルメットの着脱なんて数秒のロスなんだから、気にせずにパッと取って、ザバッと水をかぶればよかったんだけど。 時間をロスしたくないのと、 面倒臭さもあって、水をかぶらずに出発。
ここから斜度が上がっていく
斜度が上がってくると、スタビライザーの重さを
背中にずっしりと感じるようになる。 重い。 背中のバッグの重さは約700g。 (ちょっと太ったと思えばいい… 耐えろ…) と自分に言い聞かせるが、歩きが徐々に増えていく。 重いーー!! もうバッグを天高く放り投げて、 軽くなった体で走りたい。 だけど、スタビライザーはレンタル品だし、 不法投棄で捕まってしまうので、それはできない。 自ら背負い込んだ無用な荷物を 激しく後悔しながら、必死に上る。
もうムリ! 歩こう…
馬返しだ。やっと着いた…
アクエリを2杯飲んで、レモンを食べる。
中の茶屋のとき以上に水をかぶりたかったけど 時間がないので、そのまま出発。 頭が… ムレる…
馬返しの計測マットを1時間13分で踏む。
1時間10分以内で通過したかったけど、 想像以上に荷物がつらすぎたから仕方ない。 とはいえ、仮装した2015年よりは4分早いから あの時のように進めば、ギリギリ関門に間に合う。 苦手なロード区間は終わった。 切り替えて行くぞ!
2015年のときを思い出しながら進む。
最初は前のランナーに倣って浸透枡を避けていたが、 「あぁそうだ、浸透枡は突っ切るんだった」 と思い出し、直進していく。 足には負担かかるが、ごそっと抜ける。 渋滞しているけど、2015年もそうだったし、 例年通りだと思っていた。この時は。 スタビライザーを背負っているので、五合目までにあまり足を使いすぎると、そのあと死ぬことが予想される。 なので、限界まで足を使わないように心がける。
2合5尺の給水所を1時間40分で通過。
アクエリを3杯飲んで、レモンを食べてすぐ出発。 この地点の過去のタイムを記憶していなかったので 早いのか遅いのかわからない… レース後に調べてみたら、 2014年よりも3分遅く、2015年よりも3分早かった。 つまり馬返しのときの状況と、ほぼ変わらない。
混んでるなー
霧で景色は見えない。真っ白。
それにしても、ヘルメットの中が蒸し暑すぎる。 ヘルメットに通気穴は開いてるんだけど、 バイク用ほど通気性は良くない。 外したいけど手持ちで走るわけにもいかないし、そもそも今回は装着して走った感想を伝えるのが役目なので、それじゃ意味ない。 我慢。 っていうか、ヘルメットがキツイせいで、 頭の横側が圧迫されて、うっ血してるような… もっと大きいサイズ作ってよ! モンベルーー!!!
なんか音がしたと思ったら、
右の靴のICチップが取れて地面に落ちてた。 拾って、パンツのポケットに入れる。 左の靴には付いてるから、大丈夫だろう…
このとき時計を見ていなかったんだけど
五合目焼印所を2時間2分で通過。 (大丈夫、間に合う!) と思って進み続けていたが、 すでに2時間を超えているのに気づいていれば (あ、ヤバイ!) と、慌ててダッシュしたかもなー。
横にいた年配ランナーと話をすると、
「もうダメだわ。たぶん2分間に合わない」 と言ってて、ちょっと驚く。 (いや、間に合うんじゃないの…?) と思っていた。 【レースの気付き】亀の甲より年の功
あ、ロードだ!
道路に出る。
時計を確認すると、2時間13分。 (あ、間に合わないじゃん) と、ここで気づく。 気づくの、おせえ!!!
この約30mのロードは毎年ヨロヨロとしか走れない…
再びトレイルへ。もちろん渋滞。
上の五合目関門からカウントダウンが聞こえてくる。 「5、4、3、2、1、終了~~~」 あぁ、終わった…
道路を横断して、再びトレイルへ
佐藤小屋手前の最後の上りは細いので混む。
もう間に合わないとわかっているから、みんなゆっくり上っているけど、関門ギリギリだったら修羅場なんだろうなー。 去年は関門1分半前だったけど、 それでも、うしろからのプッシュがすごかった。 「もうちょっと道幅が広ければ…」と思うけど、 道幅を広げられる場所でもない。 個人的には、5合目の関門は佐藤小屋ではなくて、手前にある「30m上るロードの終わり」のほうがいいのではないかと思う。 あの道は広いから、カウントダウンが始まっても、 走れる余裕のある人はダッシュできるし。 今回、ロードに出てから佐藤小屋まで5分だったので その場合は制限時間も5分短縮して2時間10分で。 そのほうが安全に運営できる気がする。 関門を通過さえしていれば、 ランナーもそこまで焦らない。 事実、佐藤小屋の給水所後の林も渋滞するけど 関門手前の渋滞と比較すると殺気立っていたない。 5合目関門を5分短縮した影響で、 「ヤバイ!間に合わない!急げー!」 となるランナーが増えたから、 ぜひ検討してほしいものだ。 今のままだと、いずれケガ人が出る気がする。
結局、佐藤小屋に着いたのは2時間18分だった。
仮装してた2015年とそんなにタイムが変わらない。 ショック! っていうか、馬返しから65分もかかったのか。 そんなに遅く進んでた気もしなかったし、 へばってたわけでもなかった。 渋滞具合は2015年と同じような印象だったけど 今年のほうが混雑してたのかもしれない。 渋滞の酷さって走ってるとよくわからない。 2年前と同じような感覚で上ってたんだけどなー。 【レースの気付き】人は、忘れる 振り返ってみると、2015年のときは獣化して、 「オレの前にいる奴は全員駆逐する!(エレン)」 というストロングスタイルでゴリゴリ攻めた。 今回は、五合目のあとのことを考えていた。 後半に余力を残しておきたいと。 五合目には間に合うと思ってた「奢り」が 今回のレースの最大の敗因だ。 慢心。 最下級ランナーの自覚を持って、 もっと死力を尽くして上るべきだった…
山頂に行けないように封鎖してた
ヘルメットランナーってことで取材された
下山バスまで歩く。右側は五合目コースのゴール地点
アミノバイタルのペットボトルと粉末をもらう
自衛隊運営のテントで水とバナナを
セルフサービス。オレの袋はどれだ…
五合目到着。海外の観光客がたくさんいる。
毎回恒例のコケモモソフト。350円。
さらに下りて、バスに乗る。
レース状況をWEBで確認すると、 トップ選手は既に2時間半でゴールしてた。 は、はえぇ。。 北麓公園に到着後は 600円分のチケットを使って、食事を。
吉田うどん(300円)
桜えび入りのおこたま(300円)
あっ、そう。
前記事で書いたPさんは風邪気味だったからか、 山頂の関門に間に合わず、初完走ならずでした。 「追いついて喝を入れるんじゃなかったのか!」 って、あとで言われた。 すまん… 変な荷物を背負って爆死した… 次回以降は、五合目焼印所で2時間超えてたら、 後先考えず、足がちぎれるようなダッシュで上ろう。 それと、レース中に声をかけてくれた皆さん、 ありがとうございました。 おすもーさんでも、全身白タイツでもないのに、中継してるとか、緑バッグとかで特定できたようで、私もびっくりしました。 なんかブログが読まれているのは、うれしい反面、 「この人は、私の数々のリタイア歴を知っている…」 って感じで、なんともいたたまれない気持ちになる。 多くのランナーは、ドラゴンボールとかワンピースみたいにどんどん強くなる(速くなる)んだけど、私の場合、練習をしないので一向に成長しない。 未来永劫、富士登山競走サブ4とかないと思うし、成長志向もないので「この人、すげえ!」と思われるようなブログにはならないし、なれない。 むしろ、どちらかというと老いて退化していくという… まあ、そのあたりの衰えゆく寂びの境地(?)を ブログを通じて発信していきたい今日この頃です。 話がそれました。 次の記事で「ヘルメット装着の義務化」について 個人的に思うことを書きます。 次へ > |
by おすもーさん
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11月 2017
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