初の山口! このレースのことを知ったのは、いつのことだろう。 よく思い出せない。 「250km! いつか走れるようになりたいなー」 漠然とそう思い始め、それには140kmの完踏が必要なので、来年以降の250kmに向けて、萩に行ってきました。 富士五湖ウルトラ112kmから中4日のUTMF161km。 それから中4日でのレースとなった萩往還はいかに。 _ _ _ レース前日に都内から深夜バスに乗り、 13時前に山口大学に到着。16時間。長かった… 大学から大会会場まで歩いていき、 15時前に会場に到着。 香山公園の小屋で受付手続きを済ませる。 参加賞はシューズケース。実用的でいいね。 夜用のピカピカ光るバッジを2個もらう。 説明会後、着替えたり、食事したり、荷物預けたり。 17時過ぎにスタート地点に向かう。 まだスタートまで30分以上あるのに、長い行列… ずっと並んでるのも苦痛なので、 外れた場所で準備運動しながら待つ。 スタート10分前に最後尾に並び、18時スタート。 2~3分ずつずらしてのウエーブスタート方式で、 私は5回目か6回目あたりで走り出した。 南下してから北上して、戻ってくる 往還道のアップダウンが目立つ ブロックの最前列にいたので、快調に先頭を走る。 体が軽い。 UTMFの疲労は今のところ感じない。 最初のほうは誘導の係員も立っているので 道を間違えることはない。 川沿いに進んで、矢原河川公園を折り返す。7km地点。 折り返した先に、オールスポーツのカメラマンがいた。 そこから15km先のたそがれ庵に向けて、ひた走る。 スタートからエイドが全然ないのがつらい。 国道は明るいので、夜でもライトは必要なし。 ラジオでプロ野球を聞きながら、心を無にして走る。 試合は、巨人が広島にサヨナラ勝ちで3連勝。 阿部の3試合連続ホームランで同点にし、 延長10回、2死三塁から脇谷が適時打で勝利。 広島は4失策。 守備が乱れすぎだと、解説の達川さんが嘆いてた… 21.5km地点のたそがれ庵に到着。20:30頃。 行列が長いので、帰りに立ち寄ることも考えたが、 退屈していたので、食事して気分転換することに。 スタートが遅いと、ここの到着が遅くなり、 その分だけ、うどんの行列が長くなる。 早くスタートしとけば良かったな… 温かいうどんと、おにぎり2個をいただく。うまい! おにぎりはスープに入れて、お粥状態で食べる。 食後に冷たいお茶を飲んで、出発。 約8km先の折り返し地点を目指す。 しばらく上りなので、歩いて食休み。 上りが終わると、防府市街まで長い下り坂。 軽快に下っていくが、 帰りはこれを上るのか… とゲンナリする。 途中に私設エイドがあった。 エイドが少ないので、とても助かる。ありがたい。 市街では信号にひっかかりまくりながら、 29.3km地点の英雲荘に到着。 チェックポイントなので、カードに穴を開ける。 給食待ちの15人くらいの行列に並んで、 薄皮つぶあんぱんなどを食べる。 折り返して、8km先のたそがれ庵を目指す。 上りを走っている人が多いが、自分は走らずに歩く。 140kmだからね。焦っても仕方ない。 ラジオは、AMでバカリズムや広瀬香美の番組を聞く。 復路のたそがれ庵ではお茶だけいただいて、 そこから、12.5km先の山口市福祉センターを目指す。 夜道をひた走る。 往路と違って、店は閉店していて、走る車も少ない。 前後はバラけているので、一人旅。 コンビニがあれば立ち寄って気分転換したかったが、 道沿いには見つけられなかった。 49.6kmの山口福祉センターに到着。24時過ぎ。 これでだいたいレースの1/3が終了。 靴を脱いで館内に入り、雑炊(汁掛けご飯)を食べる。 食事が終わると、長居せずにすぐ出発。 センターを出てすぐのところで、前の人についていったら、うっかり200mくらいロスト。 危ない。 北上して瑠璃光寺を過ぎ、一の坂ダムまで約3km上り、 石畳の萩往還道に入る。 石畳は平らでないし、ちょっと滑るので、かなり厄介。 これだったら、土のほうが楽だな… やっと石畳が終わったと思ったら、今度は砂利道。 なかなか楽には進ませてもらえない。 しばらくすると、Aゼッケンの方とすれ違う。 30時間弱で200km以上走ってるのか… すごすぎ! なんかヘッドランプが暗い。 目を凝らさないと道がよくわからない。 ハンドライトも持ってきておけばよかった… 板堂峠を上り、萩市に入る。 深夜1時からは、 やまだひさし「ラジアンリミテッド」を聞く。 一人旅なので、MCがハイテンションで 喋りまくっているのを聞くだけで元気が出る。 暗い夜道をラジオのおかげで、めげずに進む。 しばらく県道を下っていき、60km辺りで左折する。 ここ、わかりづらいなー。 このあとも下り基調の道を進み、 64.7kmの佐々並に到着。 6時からのはずだが、深夜もやっていた。感謝! ケーキ菓子をいただく。 あと、レモンの砂糖漬けが美味しかった! 「萩は虎ヶ崎を折り返してからが本番だからね!」 近くで話してるスタッフの会話を聞きながら、 まだ半分も走ってないんだよなーと思う。 釿ノ切峠に向けて上っていく。 上りの途中で、コースのすぐ近くから、 「かこーん」 と、ししおどしの音が聞こえた。不気味。 その後、一升谷の砂利道を一気に下る。 すると突如、暗闇から明るいテントが登場。 私設エイドのようだ。熱いお茶を飲む。 そこから30分くらいで、74.6kmの明木に到着。 黒糖饅頭がうますぎる! 暖かいお茶とともに、パクパク食べる。 ここも本来は8時からなのに、早朝営業。感謝! 明木からは萩市内に向けて比較的走りやすい道が続く。 夜が明け始める5時にラジアンリミテッドが終わり、 FMの電波が悪くなったので、AMに切り替える。 AMで徳光和夫「とくモリ!歌謡サタデー」を聞く。 徳さんの声をひさびさに聞いた気がする… ゆるやかな下りを走っていると、右手に村田蒲鉾店が。 このエイドは、まだ営業していなかった。 往還道で疲労のたまった足で、ロードをよろよろ走る。 FMで「感じて、漢字の世界」を聞いていると、 なんか眠くなってくる。 やばい。他の局の番組にしよう… 84kmの玉江駅に6:50到着。 エイドは6時までなので、すっかり片付いていたが オレンジとお茶をいただけた。 ありがたい! 夜が明ける。 玉江駅の手前から250kmの選手と合流していたが、 ゾンビ状態のランナーばかり。 ふらふら、よろよろしながら走っている。 こんなんで、あと50kmも進めるのか…? 250kmの過酷さを目の当たりにして、震える。 少し走ると日本海が見えてくる。海だ! 87kmのチェックポイント「浜崎緑地公園」に到着。 ここは無人で見つけづらいので、スルーしやすい。 運良く、ランナーが4~5人いたので、すぐに気づけた。 ここから9km先の虎ヶ崎を目指す。 海岸や漁港を左手に見ながら走る。 それにしても、足が重い。 やっぱりUTMFの疲れは抜けてないな… そりゃそうだ。 4日で100マイルの疲労が抜けるわけない。 できないことを嘆いても仕方ない。 制限時間には余裕あるから、のんびり進もう。 体が斜めに傾いた状態で走っている人を発見。 白いウェアの60才くらいの男性ランナー。250km。 足が痛いのか、眠いのか、その両方なのか… ちょっと尋常ではない。 「大丈夫ですか?」 と声をかけると、ゆっくりと顔をこちらに向け、 そっと静かに微笑む。 もう体力も気力も尽きかけていて、 執念だけで進んでいるのがわかる。 「が、頑張ってください!」 言ってから、私は「しまった」と思った。 もう十分に頑張ってるではないか。 そんな月並みなセリフじゃなくて、 もっと気がきいたことを言えないのか、オレは。 すると、そのランナーは弱々しい声で、 「おにぃしゃんもな…」 と口にした。 その後、そのランナーが完踏できたかはわからない。 おそらく、できなかっただろう。 これまでたくさんのランナーの背中を見てきたが、 ここまで出し尽くして進むランナーを見たことはない。 この選手の背中は、強烈に自分の記憶に残った。 道の反対側の歩道を 虎ヶ崎から折り返してきたランナーが走ってくる。 道路越しに挨拶。楽しい! コース脇にローソンやセブンイレブンがあり、 通過してから、立ち寄っておけばよかったと後悔。 食事すると、気分転換になるからね。 明神池の横を上っている頃から、右足首が痛み出す。 つまづいたりしたわけではないので、 これはもう、蓄積疲労によるものだろう。 行きつくところまで行けば、 疲労骨折につながるやつだ。 直近2週間で370kmくらい走ってるんだから、 どこかにガタがくるに決まってる。 もっとペースを落とそう… 途中、つばきの館へ左に折れる道があり、前のランナーが直進していたので、つられて行きそうになる。 でも「つばきの館は左」という看板があったのと、うしろから来た人が「自信ないけど、こっちでは…?」と言っていたので、左へ。 それで正解だった。 もし夜に来たら、気づかずに直進しちゃうだろうな。 岬をぐるっと回っていくが、なかなか着かない。 あと3kmが果てしなく遠い… ようやく95.9kmの虎ヶ崎(つばきの館)に到着。 前のエイドから12km。長かった… パンチで穴を開けたあと、食事の行列に並ぶ。 うどんかカレーライスを選べるが、みんなカレー。 食事中は靴とソックスを脱いで足を開放しておく。 走ってないときくらい、血流をよくしておかないと。 カレー、うまかった~。オレンジも付いてた。 つばきの館を出たあとは、ぐるっと虎ヶ崎を一周して、 再び来た道を戻る。 帰りは、セブンでクーリッシュを買い、食べ歩き。 やっぱり食べ歩きしながらのほうが楽しく進める。 104.2kmの金照苑(東光寺前)に到着。 萩焼おみやげ屋の前。 エイドではないので、穴を開けて、すぐ出発。 そこから登り坂を歩いて、 105.1kmの陶芸の村公園に到着。すぐ近く。 ここが最後のチェックポイント。全部、穴開けた! ドロップバッグを引き取り、ソックスを履き替える。 ロングタイツを、カーフタイツに交代。 ラジオで雨が降るかもしれないと言ってたので、 レインウェアを一応バッグに入れておく。 70kmの部の人はここで折り返し。 お弁当を食べている。おいしそうだな… ドロップバッグを預けて、出発。 残りは35km。 走り出すと、対面から70kmの方達が続々とやってくる。 「ファイト!」 「ナイスランです~」 応援したり、されたりしていると、 いつの間にか、ペース良く走れていた。 109km地点の村田蒲鉾店に到着。 往路ではまだやってなかった所。 水分補給をして、すぐ出発。 ここから先は、また往還道が待っている。 悴坂から始まり、一升谷、釿ノ切峠、千持峠、板堂峠と続く。 悴坂の入り口までは走る。そこからは歩き。 対面からのランナーが少なくなって一息すると、 足首の痛みがひどくなっていることに気づく。 ヤバイ、どんどん痛みが増してる… 115.4kmの明木のエイドでは、 また黒糖饅頭と熱いお茶をいただく。 お祭りやっていて、人通りがすごい! 一升谷を上っていると、 35kmの部のウォーカーとすれ違う。 たくさん声を掛けられ、元気が出る。 ここで雨に降られたはずなんだけど 記憶があいまい。 レインウェア着たんだっけ…? 雨で道に水たまりができて それを避けるのが面倒だったのは覚えている。 釿ノ切峠を越えて、下っていくと 125.3kmの佐々並に到着。たしか13時頃。 ちょうど豆腐がなくなるところだった。 食べられてよかったー。 エアサロンパスをかけて、出発。 上長瀬(130.7km)でまんじゅうを食べつつ、 山口市に入り、少し上って、板堂峠の頂点へ 。 この辺りは私設エイドがいくつかあった。 夏木原キャンプ場のエイドはどれだったんだろうか… 再び石畳の下りへ。 けっこう斜度あるし、濡れてるので怖すぎる。 転んだら、足首が逝ってしまうので。 そろそろと慎重に下る。 とにかく右足首が痛くて、早く進めない。 筋肉痛はそこまでではなかったから、 足首痛さえなければ走れたのに。 残念。 やっと往還道が終わる。16時頃。 あとは3.8kmのロードのみ! 歩幅を狭めて、足首の負担を減らして走る。 一応、走ってはいるんだけど、のろい… 町に入ってからは応援の方がちらほら。 最後の曲がり角を右に曲がると、 200mくらいの上りに。 ここは意地で、歩かずに走りきる。 大勢の人たちがハイタッチで迎えてくれた。 そして16:30頃にゴール! チェックシートを確認後、完走証と完走メダルもらい、荷物を引き取って、着替える。 湯田温泉で風呂入る予定だったけど、県庁前から湯田温泉へのバスが行ってしまったので、無料で入れる亀山湯に行くことに。 昔ながらの銭湯。 ボディーソープやシャンプーはないけど、前の利用者の残骸がそこら中に散らばってるので、拝借する。 湯船はちょうどいい温度だったけど、 足首を温めたくないので、浸からず。 水を足首にかけて冷やしておく。 風呂のあとは、会場に戻って、 受付でもらってた食券で、うどんをいただく。 県庁前まで歩いて、 18:50頃に県庁前から山口大学行きのバスに乗る。 バス停に250kmを一睡もせずに完走した男性がいた。 完走のコツを聞いたら、 「あきらめなければ…」 と言われる。never give upか… 大学に着き、近くの店で弁当を買って食べる。 20時頃のバスに乗り、東京へ戻った。 萩往還の結果を見ると、 140kmの部は完踏率59.1%だった。 私の順位は真ん中あたり。 足首痛くなかったら、もっと前にいけただろうから 脚力ついてきた気がする。 1年前は100km走れなかったんだからね… さて、これで250kmの挑戦権は手に入った。 来年、また萩に行こう! 春のランまつりも、あと1戦だ。 追記)次の年の250km挑戦記はこちら |
by おすもーさん
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