このエイド、 暗すぎるぞ! (スパルタスロン編を最初から読む) 145.7kmの第42エイド「SIGN TO LIRKIA」に2:06到着。 貯金は39分に。3分減ってしまった… イスに座り、ホットティーをお願いする。 貯金がどんどん減っているので、 ティーをもらうと、飲みながらすぐ出発。 制限時間がどんどん迫ってくる… 相変わらず、大腿四頭筋が痛すぎる。 なんでこんなことになってしまったのか。 走りながら考えてみる。 1.フォームの問題(もっと後ろ側のハムを使うべき) 2.オーバ-ペース 3.氷で冷やしすぎた といったあたりか。 日中は氷でかなり助けられたのだけど、 それが癖になって、夕方も氷で冷やし続けてしまった。 そのときは気持ちよくて効果あるように感じたけど あれは、やり過ぎだったのかもしれない。 ここまでバッキバキになってしまったのは それが大きな要因のような気がする。 反省。 148.2kmの第43エイド「LIRKIA」に到着。 集落の中にある大きなエイド。明るい。 サポーターや見学者がたくさんいる。 荷物を引き取って椅子に座り、 卵粥とクエン酸ゼリーを食べる。 大腿四頭筋の痛みが尋常ではないので タイツを脱いで、エアサロンパスをかける。 効きますように… マッサージを受けるかどうか悩んだけど 効果あるかわからないし時間節約を優先してスルー。 あとから思えば、 3分でもいいから受けておけばよかった気がする。 少し胃が弱ってる感覚があるので、 大正漢方胃腸薬を飲んでおく。 荷物にはトラブル対策用の薬をいろいろ入れてたけど 足と胃以外は問題ないので、ここで返送する。 マウスウォッシュで口をすっきりさせてから、 32分の貯金で出発。7分減った。 エイドに長くいたから仕方ない。 切り替えて前に進もう。 エイドを出発。 走り出してしばらくしても、 先ほどのエアサロンパスの効果はあらわれず。 足が痛ぇ… 3分走ったら5秒歩き、 1分走ったら10秒歩き…とやってきて 徐々に走る割合が減っていたわけだけど、 ついに走れなくなる。 片足で着地衝撃に耐えられない。 (終わった…) 万事休す。 でも、できないことを嘆いていても仕方ない。 走れないなら、歩きを早くしよう。 出来る限りのスピードで歩こう。 とはいっても、脚が終わってるわけで、 どうやってスピードをあげたらいいのか。 夜道でウォーキングフォームをいろいろ試す。 検討した結果、肘を伸ばして拳を握り、 時計の振り子のように拳を大きく前後させて、 その遠心力を推進力にして速く歩くことにする。 欽ちゃん走りに少し似ている。 極めて滑稽なフォームだ。 けれども、今は速く進めればなんだっていい。 やれることをやるのだ。 欽ちゃん歩きで、暗い砂利道を進んでいく。 151kmの第44エイド「SMALL OPENING LEFT」に到着。 このエイドで何をしてたのか記憶がない。 長居はしなかったと思う。 26分の貯金でエイドを出発。6分も減ってしまった! やはり歩きでは頑張っても速度に限界があるか… しかし、今はこれしかない。 次のエイドまで2.7km。 誰もいない砂利道をひたすら欽ちゃん歩き。 たった2.7kmなのに、30分経っても着かない。 苦行だ! 153.8kmの第45エイド「KAPARELI」に到着 倒れ込むようにイスに座り、スープをもらう。 小雨が降ってきたので、 ウィンドブレーカーをバッグから出して、着る。 足がむくんでるからなのか、足が靴に当たって痛い。 ファイントラックの5本指インナーソックスを 履いていたのだけど、ここで脱ぐことにする。 足を見ると、親指と人差指の間に巨大な水豆が。 TABIO靴下とインナーソックスの相性が悪くてズレるのか、またはインナーソックスのサイズが合ってないのか… なにはともあれ、 ここでインナーソックスを脱いで、すっきりした。 ソックスを履いているときに、うしろから 日本人の男女ペアランナーがやってくる。 女性「雨降ってきたけど、パーカー着る?」 男性「いや、もっと降りだしてからでいい」 そんなやりとりをしながら、 エイドをすぐに出発していった。 のちにまた会うことになるのだけど、 それはまた別のお話。 行くか… 3:50にエイドを出発。20分の貯金。また6分減らす。 エイドに4分もいたからな… 残念ながら、もうキロ10分ペースは維持できない。 このまま、あと100km進むのはムリだろう。 完走はこの時点であきらめる。 KAPARELIでのリタイアも頭をよぎったけど、まだ貯金は20分あるし、まだ完走を目指している後方のランナーもいるはず。 自分もカットオフになるまでは前進しよう。 最後まで足掻こう。 エイドを出て、すぐの十字路でロスト。 直進すればいい所を、フラグが見えなかったので 上るのかと思って右折してしまった。1分ロス。痛い。 そして、本格的な上りに入る。 上りを早く歩く余力が残っていれば望みはあるんだけど 残念ながらもうスピードを出せない。のろい。 山の上のほうへ、オレンジの街頭が点々と続いている。 先行する前のランナーが登って行くのも見える。 これまで暗闇だったので、光が見えると気分的には楽。 雨がやむ。 (せっかくパーカー着たのについてないな…) と思いながら、上り坂をよろよろと進んでいると 小柄の女性ランナーが横を走って抜いていく。 日本人のような気がしたが、暗くてよくわからず。 この斜度の上りを走り続けてることに感嘆。強い! エイドを出て30分位過ぎて、ふとうしろを振り返ると ポツポツと町あかりが見えて、なんか和む眺めだった。 この写真は微妙だけど、実際は綺麗に見えた 雨が急に強く降り出してきたので、フードをかぶる。 うしろから2人組のランナーがやってくる。 まだ完走をあきらめてない走り。 お互いにロープを繋いで持っている。 盲人ランナーなのかな? ランナー「Good job!」 私「Good Luck !」 短い挨拶を交わして、2人組はさくさく上っていった。 雨足はどんどん強まっていく。 それと反比例するように、私はすっかりやる気を喪失。 のろのろ歩いているので、一向にエイドに着かない。 後ろから大会の車がやってくる。 私「次のエイドはまだ遠いの?」 スタッフ 「すぐそこだよ。がんばれ!」 と言われたんだけど、一向に着かない。 (”すぐそこ”じゃないじゃんよ!) と、軽くキレつつ登っていく。 157kmの第46エイド「OPEN SPACE RIGHT」に4:55到着 関門時間を10分オーバーして到着。
3.5kmの上りに1時間以上もかかった! 制限時間を過ぎてるけど、ここはチェックがないので、 行こうと思えば進むことはできる。 次の大きいエイド「MOUNTAIN BASE」までは 2.1kmなので、そこまでは行っても良さそうなもの。 しかし雨で前進する気力も失い、ここでリタイア。 力尽きた… もっとやりようはあったと思うけど、 とりあえず持てる力は出し切った。完敗だ。 私 「Finish…」 スタッフ「Well done!」 拍手してもらう。 雨が強いので、テントの中に入って座る。 テントが完全防水じゃないからか、 破れてるわけではないのに屋根から雨水漏れてた。 椅子に座り、ブランケットを借りてくるまり、 温かい飲み物とか、お菓子を食べて一息。 (あぁ、終わったな…) 力が抜けて呆けていると、 エイドにランナーが2人やってくる。 一人はすぐ出発していった。 もう一人は、眠気で意識が半分とんでいる。 目の焦点があってない。 スタッフが話しかけても、 要領を得ない回答をしている。 一旦、次のエイドに向けて出ていったが、 5分くらいでエイドに戻ってくる。 低体温なのか、ブルブル震えていた。 30分くらいテントで待っていると、 リタイアバスがやってきたので、乗り込む。 バスの中は寒かったけどここでも毛布を貸してくれた。 レインウェアとエマージェンシーブランケットも使って 風邪ひかないように保温に努める。 耳栓とアイマスクをして目を閉じると、そのまま爆睡。 精根尽き果てた… < 戻る 次へ > |
by おすもーさん
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