アオスタへ! 「いつかはUTMBやトルデジアンを走りたい!」 2013年にUTMFを完走してからそう思うようになった。 そしてUTMBは去年完走したので、次はトルデジアン! ということで、エントリーを検討し始めたのが 去年の年末のこと。 既に7月のアンドラにエントリーしていたが レース間隔は1ヶ月半あくので、足は問題ないはず。 トルデジアンの去年の当選倍率は約3倍。厳しい! 仕事を休めるのか、さっぱりわからないが そういう諸問題は当選してから考えることにした。 そしたら、今年1月、NHKの「GREAT RACE」で トルデジアンが取り上げられた。 その影響が出たのか、プレエントリー者が激増し、 私はあえなく落選。 「また来年だなー。っていうか当選倍率高すぎだわ...」 などと愚痴っていたら、「4KVDA」というレースが できることを、UTMB事務局からのメールで知る。 正式名称は、 「4K Alpine Endurance Trail Valle d'Aosta」 長すぎ! 距離350km、累積標高25000m+。 だいたいアンドラの2倍。 いろんな大人の事情により、 トルデジアンの逆回りのレースが トルデジアンの1週前に開催されるらしい。 「2週続けて同じコースでレースなんてできるの?」 という気がする一方で、これはチャンスだとも思った。 そもそも大会が開催されるかもよくわからない中、怪しいがゆえに日本からのエントリー者は少ないはず。 トルデジアンの今年の日本人の当選倍率は約5倍。 確率的には5年に1回しか走れない。 運が悪ければ、ずっと落選し続けて 一生走れないってこともあり得る数字だ。 来年以降はさらに当選倍率が上がるかもしれない。 私が望んでいることは、 「アオスタの山々を1週間かけて見ること」 であって、別にトルデジアンでなくても構わない。 まあ正直に言えば、 「トルデジアンを完走した!」 とラン友に話せば、 「おぉ、すげー!」 となるところが、 「4Kを完走した!」 と言っても、 「は?」 となることは容易に想像される。切ない。 でもそんなことは大した問題ではない。 レースの形式でサポートしてもらいながら 1週間走らせてもらえれば、なんだっていいのだ。 この機を逃してはならん…! ということで、3/1に募集が開始されると同時に即申込。 4/22に募集が締め切られ、5/18に当選通知が来る。 エントリー者数は予想通り多くならず、 ほぼ全員当選みたいな状態だった。 これで落選した人は、かなり気の毒な感じ。 日本からのエントリー者は約50人いたが、全体のエントリー者数が少なかったからか、トルデジアンのように国別の割当が設定されることもなく、日本人も45人が当選。 こうしてアオスタの山を1週間走れることになった。 7月のアンドラは、想像通りのエグいレースで 睡魔にやられたこともありノックアウトされた。 だから4Kはなんとしてでも完走を…! ・・と気合入れるのが普通だと思う。 しかし自分の場合はそういう心境ではなかった。 アンドラで睡魔にやられた経験から 今回は1つのルールを設定した。 「毎日3時間以上は寝る」 1週間の長丁場のレースで、しかもずっと動き続けるのに3時間未満の睡眠なんてありえない。 眠いと、どうしてもレースを楽しめないし、 なにをしに海外まで行ってるのかよくわからなくなる。 なので最低3時間、余裕があればそれ以上寝て 眠気でテンションが下がることのないようにする。 ひょっとすると睡眠時間のとりすぎで 関門でカットオフということになるかもしれない。 でもそれは許容することにした。 今回の350kmの旅は、 「楽しい時間を積み重ねる」 ことを最優先事項として、 たとえどこかでリタイアすることになったとしても、 「完走できなかった...」 と落胆するのではなくて、 「いやー、楽しいレースだったー!」 と笑顔で言えるような時を過ごすのだ。 レースを走ってみないことには、どのくらい時間に 追われることになるのかはわからない。 ただ眠気を我慢して我慢して、レース中ずっと暗い顔をしながら進んで、耐えに耐えて、なんとか完走! というレースは絶対にしない。 関門カットオフのリスクは覚悟の上で、しっかり寝て、 その分、レース中は楽しく進むことにした。 アンドラのときは仮装するかどうか迷ったが 今回は迷うことなく仮装で行くこととした。 "楽しさ"が優先だからね。 完走のためにその時々の楽しさを犠牲にしないで しっかり「今」を楽しむこと。 明確に目的を決めてレースに臨んだ。 この判断が吉と出るのか凶と出るのか、 さあ、お相撲さんの350kmの旅の始まりです! _ _ _ 水曜(レース3日前)の仕事終了後、夜に成田発。 アブダビ経由で、木曜午後にミラノに到着。 無事にスーツケースをピックアップする。 ターミナルを出て、セントラル駅行きのバスに乗る。 往復14ユーロ。 バス会社の競争が激しいみたいで 若い兄ちゃんが競うように呼び込みしていた。 50分ほどでセントラル駅に到着。 セントラル駅。でかい 地下のメトロ乗り場へ移動。 「地球の歩き方」に書いてあったんだけど、メトロの券売機でチケットを買おうとすると、親切を装ってチケットの買い方を教えてくれる人が背後からやってきて、お釣りをネコババするらしい。 なので、その手の人に捕まらないように さくっと買うことにする。 が、英語表記にしても「1日券」のボタンがわからん... まごついていると、うしろからそれらしい人が やってきてしまい、さくさくボタンを押していく。 そして支払画面に到達。 1日券は4.5ユーロ。 お釣りを盗まれるのはわかっていたが 5ユーロ札で買って、0.5ユーロはチップと思おう、 と考えてお札を入れる。 が、5ユーロ札を券売機が認識しない。 「10ユーロ札でないと買えないよ」 と隣から言ってくる。 ホントか...? お釣りが欲しいからそう言ってるだけだろうと思い 一旦、券売機を離れる。 離れた場所でどうしようかと迷っていると キオスクで切符を買っている人がいることに気付く。 どうやら地元の人もこっちで買ってるみたい。 ネコババされることなく、無事に切符を購入する。 ホテルに荷物を置いて、ミラノ観光へ 最後の晩餐を見たい! ミラノの観光のことを出発前に全く考えてなくて 「最後の晩餐」を事前に予約しておらず。 直前にWEBで調べたときは、すでに満席。 ダメ元でチケットの空きがないか現地で聞いてみると なんと空きがあった! 聞いてみるもんだ。 予約時間まで時間ができたので、近場を散歩。 スフォルツァ城。ポケモンGOのヒトカゲの巣らしい これが生の最後の晩餐か... ドゥオーモ。屋上から夕日見たかったが閉まってた... Spontiniでピザ食べる。3.5€。安ウマ! スカラ座だー 夜のドゥオーモ。きれいだね ナヴィリオ運河。雰囲気いい! EATALYでお土産を購入 金曜は早起きして、メトロでLampguano駅に移動。 ここからアオスタ行きのバスに乗る。8:15発。 バスターミナルは駅隣接なのでわかりやすい。 バスは事前にWEBで予約していたので、運転手にプリントアウトした紙のバーコードをピッと読み取ってもらうだけ。 チケット売り場は長蛇の列だったので 事前に予約しておいて良かった。 寝てるうちに2時間半でアオスタに到着。 Aostaでバスを乗り継ぐ ちょうどCogne行きのバスが出発するところだった。 2.9ユーロを乗車時に運転手払い。中はガラガラ。 山道をくねくねと上っていく レース会場のCogneに到着 50分ほどでコーニュに到着。 バスを降りたのはいいものの、 受付会場がどこかわからない。 WEBサイトに現地地図が書いてなかったのだ。 さてどうしようか、と思っていたら 日本の方に声をかけられる(以降、Aさん)。 中国から来たそうだ。 お互いに会場がわからないので 選手らしき人に話しかけて会場を教えてもらう。 受付会場 パスポートを見せ、100€のデポジットを預けて、アイゼン・GPS・ドロップバッグ等をもらって手続き終了 アイゼンが重い! 去年のトルデジアンのような降雪もありうるので 仕方ないけど、使わなかったらただの重りだ。 これをゴールまで350km持ち運ぶのか... 受付のあと、会場でドロップバッグに荷物を詰めて 預けることにする。 大会の案内によると、 バッグは「PM6~8時」に預けなければいけない。 で、今日の宿は会場から約3kmで、タクシー必要。 宿に行ってからまた荷物を預けにくるのは面倒なので。 ただ実は、大会案内に書いてあった「PM6~8時」は 「AM6~8時」 の間違いで、正しくは明朝に持ってくれば良かった。 べつに受付会場で荷物整理する必要などなかったのだ。 この勘違いにより、後で大変な思いをすることとなる。 それはさておき、Aさんとはここでお別れし、 12:30まで荷物整理して、ドロップバッグに詰める。 荷物が多すぎたようで 無理やり押し込んで、ようやくチャックしまった。 パンパンでござる... 受付会場で取材をしていたインタビュアーから 英語でインタビューを軽く受ける。 そのあとタクシーを探しに街をうろつく。 流しのタクシーいないかな... スポーツショップが何件かあったので スーツケースをロストしても現地でなんとかなりそう スタートゲート。あの奥の山に行くんだろうなー プロシュート スタート会場の近くにピザ屋があったので 買ってその場で食べる。3.5€。うまい! ついでに明日のレース用の水も買っておく。 町を歩いてもタクシーがさっぱり見つからないので 受付会場に戻って女性スタッフに聞いてみる。 するとどこかに電話をかけて呼んでくれた。 少し待ったらイケイケの兄ちゃんがやってくる。 呼んでくれた女性スタッフと会うなり熱烈キスしてる。 だいぶ年齢違うけど、どういう関係なんだろうか... さすがイタリアだ。 メーターのないタクシーに乗って宿へ移動。 料金は言い値で20€。 ちょっとボられた気がするが、まぁいいや。 チェックイン時に明朝のタクシーの手配をお願いする。 バスタブはないけど部屋は広くて快適だった。 荷物を全部広げて、明日に向けて準備開始。 もらった参加賞一式。ソックスって珍しいな… 荷物を整理していると、初日に使う補給食の袋を
ドロップバッグに入れてしまったことに気づく。 マジか! ジェルとか塩熱サプリとか手元にまったくない。 明日の補給食として使えそうなものを探してみると、 ・蜂蜜 ・エナジーみそ ・参加賞のジェル ・のど飴 以上。やばい! 全然足りてないが、 エイドでしっかり補給して切り抜けるしかない。 そして逆にドロップバッグに入れるべき袋が手元に。 入れ間違えた! すんごい重たいんだけど、どうすんだこれ… 置いていきたいところだけど、 中身はレースで必要なので運ぶしかない。 痛恨のミス! 350kmのレースだというのに 初日は準備した補給食ナシで、しかもバッグが激重。 不安を抱えたままレース当日を迎えることとなった。 |
by おすもーさん
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11月 2017
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