制限時間ギリギリに出発。急がないと… (レユニオン編を最初から読む方はこちら) 22:10にアラームをかけていたが、 目が覚めたのは22:15。 耳栓をしていたせいもあるけど、 アラームに5分間も気づかなかった。 睡眠が足りていない…。 ただ、とりあえず眠気はなくなった。 行こう。 女子スタッフからの写真リクエストに応えてから 山小屋を出る。 下り。関門は8.5km先が0:45、さらに3km先が1:45 制限時間の22:30に出発。 ランナーはもういない。完全にビリだ。 エイドを出ると、大きめの浮石がゴロゴロしている。 転倒は避けたいので、速く走れない。 (うーん、スピードを上げられない…) と焦りながら下っていると、雨が降り出す。 浮石が濡れると、たちが悪い。 滑る上に動くってどういうことだー! なんとか岩場区間を抜けて、土のトレイルになる。 道はほとんどフラット。下りじゃないの…? 時間がないので走っていくが、 雨のせいでぬかるみがひどくなり、速く走れない。 ぬかるんだ路面に四苦八苦していると、 しばらくフラグを見ていないことに気づく。 そこからしばらく直進し続けるが、 一向にフラグは現れない。 こんなにフラグがないのはおかしい。 ロストしたと思い、引き返す。 (ロストなんてしてる場合じゃないのに…) と思いつつ、周囲を入念に照らしながら来た道を戻る。 そして、20分くらいでフラグを発見。 しかしそこは直線道で、来た道以外に進む場所はない。 さらに戻ったら、エイドに帰ってしまう。 (合ってたのか…?いやでもフラグなかったぞ…) まずい。道がわからない。 しばらく悩んだ後、最下位なので近くにスイーパーがいるだろうと思い、ホイッスルを軽めに吹く。 ホイッスルをレースで使ったのは初めて。 (反応あるだろうか…) しばらく吹いていると、近くから反応が! 空にハンドライトを点滅させて居場所を知らせると 数分でスイーパーが来てくれた。 スイーパー「大丈夫か? ケガはないか?」 私「体は大丈夫。ただ道がわからない…」 スイーパー「道?まっすぐだ。ずっと直進だ。」 私「そうなの?(フラグなかったぞ…)」 結局、さっきの道で正しかったとわかり、また進む。 次のエイドまでは1時間半とのこと。 どこかに曲がる道があるかもしれないので、 周囲をキョロキョロと照らしながら慎重に下りる。 この時点で次の関門はあきらめる。 もうムリだ。 そんなことよりも、 ケガなく安全に下りることを目標にしよう。 階段の下りに入る。 30分に1回くらいフラグが現れるが 数が少なすぎて、自分の進む道に自信を持てない。 たぶん日中であれば迷うことのない1本道なんだと思うけど、夜だとそれがわからないので急な曲道に備えて、いちいち周囲を照らさないといけない。 (もうちょっとフラグ増やしてくれないかな…) 愚痴りながら下る。 前のエイドから2時間が過ぎると、 降り続く雨で段差が沼というか池のような状態に。 ドロドロ。ひどい。 ただの階段なのだけど、でかい段差では転ばないように、手も使って3点保持で下りる。 しかし、それでも完全には防ぎきれず、左側にずるっと転んだ時に、道に張り出していた枝で鼻の頭を刺してしまう。 あぶねー! 目だったらと思うとゾッとする。 そこからさらに慎重になり、腰引けながら 上りと変わらないような速度でそろそろと下りる。 っていうか、スタッフから「あと1時間半」って聞いてたけど、下界の街明かりが遥か下に見えるんですけど… この感じだと、ここからさらに1時間半コースじゃないの…? 亀のような速度で慎重に行ってるのに、それでも何度も尻餅をつきながら、ほうぼうの体で下っていると、向かいから6~7人のスタッフが上ってくる。 先頭のスタッフは驚きの表情で私を見ていた。 急に暗闇から、やつれた力士がヌッと現れたのだ。 そりゃびっくりするよね。 ちょっとしたホラーだわ。すみません… そのグループはそのまま上っていったが、どこかで折り返してきて、スイーパーとして私のうしろにやってくる。 スタッフ達は雨の階段を楽しむように滑りながら下っていたが、私はとてもそんな心境にはなれない。 とにかく無傷で下山したい。 (滑りませんように… コケませんように…) 頼れるのは神様だけだ。神頼み。 どこまでも続く下りに絶望しながら下りていく。 ぬかるんだ暗闇をひたすら進み続けた… 5時頃にようやくロードに出る。
前のエイドから、かれこれ6時間以上下ってる。 いくら遅くても8.5kmの下りに6時間はかからないので、どうやら0:45の関門のエイドは閉鎖していて通り過ぎたようだ。 だとしても、11.5kmに6時間以上って。 時速2km。下りだよ…? なにはともあれ、ぬかるみを脱出! あとはロードを走ってエイドに着けば終わりだ。 全然走ってないので足は元気。 ぬかるみを抜けた安堵感からか、眠くなってくる。 ほぼ真っ暗な道を走っていると、 明るい場所が見えてくる。 (あれがエイドか?) と思ったら、うしろから大声で呼ばれる。 いつの間にか、私の後ろにバスが来ていて、 このバスに乗れとのこと。 エイドに立ち寄ることなく、リタイア回収車に乗る。 バスは満席だった。補助席を作って座る。 瞬く間に眠りに落ちた… |
by おすもーさん
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11月 2017
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