奥にホットミールがある! (マデイラ編を最初から読む方はこちら) 第5エイドに到着して貯金を確認すると、1時間7分。 ほとんど増えてない! ここまで力士的には相当いい感じで進んできた。 なのに貯金が増えないってことは、疲れてペースが落ちたら貯金をすり減らして関門アウトになる可能性が高い。 早くも、完走に黄色信号が灯ってしまった… なんてこった! まあそれはそれとして、 ホットミールでも食べるとしよう(現実逃避)。 スープと肉がけご飯をゲット! 発汗量が増えてきたからフルーツも多めに食べないと… イスに座って足を休ませながらガッツリ食べる。 女性ナースがカメラを向けてたのでポーズをとったら、 横にやってきて一緒に写真を撮ることになる。 マデイラの人は一緒に写真を撮ろうとする方が多い。 おっさんとしては嬉しい限り! ナース達が写真を見て笑ってる…! 足とお尻の筋肉痛が顕著になってきたので、 エアサロンパスをしっかりかけておく。効く~~~ ナース達もコールドスプレーを持っていたので、 お願いしようかとも思った。 しかしさすがに女性の前で、おっさんがお尻丸出しになるわけにもいかない。犯罪だ。 なので断念。 これは賢明な判断だったと思う。 次は距離長い区間なので、水を1.5リットルフルで持つ。 さて、行くか… と立ち上がると、近くにいた女性から 「写真いい?」 と言われる。無論、OKしたのだけど、すると、 「写真いいってー! みんなー! 集まってー!」 と建物の外にいる遠くの人まで呼び寄せ始める。 (じ、時間が… 集まるなら早く来てくれ…!) という願いもむなしく、ゆるりと集まり、 3つのカメラで写真大会が盛大に執り行われた。 この写真大会で約6分ロス。ひぃっ! エイド出発時点で時計を確認すると、 このエイドになんと19分も滞在してしまった。 貯金は48分。 急がねば! このレースで最長の15.3kmの区間。累積約900mD+ まずは下り しばらく下っていると、左膝の軽い違和感に気づく。 膝内部の、やや外側。 これは軽い捻挫の症状だ。間違いない。 思い当たる節がないんだけど、 下りのどこかで軽く捻ったようだ… そのまま進んでいくと、 徐々に違和感が大きくなっていくのがわかる。 まだ半分も来てないのにマズいな… そこで下りでは右足荷重にして、 左膝をかばうようにする。 やりすぎると右膝も痛める可能性はあるけど 左膝の負荷を減らすほうが大事。 今のところは大したことない痛みだけど、 最後までもつだろうか… 下りが終わり、上り始める。どこまでも続く階段… 上っても上っても階段が終わらない。もう! 上の写真の場所で、 ずーーーっと奥にある山頂がちらっと見えて、 「ひょっとして、あそこまでこの階段が続くのか!?」 と戦慄した。 …んだけど、ここから2分くらいで階段が終わる。 よっしゃー! 階段終わったー! うれしー! 木陰がなくなり、日なたに。暑い… まだ4月だし、気温はそれほど高くないはずなのに、 なぜか夏のレースみたいに発汗量が多い。 「このくらいの暑さなら、このまま乗り切れるだろう」 と思っていた。 この時は。 この黄色い花、なんて名前だろ? よく見かけるな… 遠くの山々が見えるようになってきた! おぉ、山肌が一面、黄色い花で埋め尽くされてる! どうにもこうにも暑すぎる。 過去に暑いレースは何度も経験してるし、 もう10回以上仮装ランしてるし、暑さには強いはず。 気温はそれほど高くないのに、 なんでこんなに暑いんだ…? 原因をあれこれ考えた結果、 「体が暑熱順化してないからか!」 と気づく。 東京はつい最近まで冬みたいな気温だった。 まだ体が暑さに慣れてないんだ! だからか! 気づくの、おせぇ! ってか、それよりもなんか対処しないと! 幸いなことに水場がちょくちょくあるので 頭から水かぶりをすることに。 ポールを岩に立てかけてから、滑って転ばないように慎重に岩に乗り、ラジオのイヤホン・Gopro・ちょんまげを外し、水浴びして、首に巻いてるタオルを外して濡らして振って首に巻き、再びちょんまげ・Gopro・イヤホンをセットして、ポールを持って出発。 急いでやっても5分はロスする。 しかし今はタイムロスよりも冷却のほうが重要だ。 暑さへの対処が遅れたせいか、 なかなか頭が熱をもっている状態が解消しない。 (ちょんまげを外すしかないか?いや、しかし…) 仮装ランナーにとって、 「なんの格好なのか、わかってもらえない」 というのは悲劇だ。 ただ「頭のおかしい人」と認識される。つらい。 そういう意味で力士の仮装ではちょんまげは生命線。 あのクソ暑かった2015年のUTMBでも、 46時間のうち合計10分位しかマゲは外さなかった。 それなのに、こんな中盤で… しかし仕方ない。 今は仮装の体裁を気にしている場合ではない。 時間にまったく余裕のないガチレースなんだから、 コンディションをこれ以上悪化させる訳にはいかない。 断腸の思いでマゲを外す。 む、無念… 「紅の豚」のポルコは言った。 飛ばねぇ豚は、ただの豚だ、と。 同じ理屈で言えば、 マゲねぇ力士は、ただのデブだ。 屈辱…! 日なたが続く。あちぃ… 陽の当たる顔がヒリヒリする。 スタート前に日焼け止めを塗るのを忘れたせいだ。 バッグの中にも入れてない。 なにか対策をしないと、ひどいことになりそう。 そこで首に巻いていたクールコアタオルを 濡らして、頭の上から両横に垂らすように載せる。 タオルの上からGoproのバンドを頭に被せれば、 タオルが落ちることはない。 すると、顔の両サイドのタオルが陽射しを防ぎ、 走るとタオルの端がペラペラと顔に当たって冷たい。 これはいい! 我ながらナイスアイデア! コース上に水場が頻繁にあるので、 発見する度に、水かぶりをして冷却。 5~6回繰り返して、ようやく体が通常状態に戻る。 「足の疲労は、実際に足が疲れているのではなく、脳が早めに運動を止めさせようとしているだけ」 というのはよく知られていることだけど、実際、水浴びすると足の重さがすっと軽くなるのを感じる。 司令塔である脳をいかにご機嫌な状態にさせておくかが、ロングレースではとても大事だ。 とはいえ、水浴びで20分以上はタイムロスしてる。 誤算! 暑いので水の消費量も増える。 水切れは怖いので、小川の水をボトルに補充しておく。 この区間は距離が長いのでなかなかピークに着かない。 前のエイドから2時間半が経過し、腹も減ってくる。 ショッツとカロリーメイトを補給。飴も舐める。 ひょっとして、あの山のピークまで行くのか…? まだまだ上る… 前のエイドから約3時間が経過。 なんか道が下りになってるぞ…? ピークに着いた感じはなかったけど、 上りが終わったんじゃないか!? よし! いやー、いい眺めですなー! 抜群の景色! 水浴びのし過ぎで時間浪費したから、下りを急がねば! 急ごうとすると左膝に負荷がかかるので、 少しずつ痛みが悪化していく。 しかし今は急がないとマズイ。 制限時間に間に合わなかったら、 膝の状態に関係なくゲームオーバーだ。 次でようやく全体の半分。 最低でも貯金30分の余裕をもって次のエイドを出たい。 この辺りから時間を意識し始め、 時計をちらちら見る回数が増える。 エイドに早く着きたい! トレイルが終わり舗装路になる。ひ、膝が… 民家が見えてきた。そろそろエイドか…? エイドから折り返してきたランナーとすれ違う なかなかエイドに着かない。
高低図をしっかり確認してなかったんだけど、 下りきってから、ロードの上りがあったのだ! なかなかエイドが見えてこなくて、気ばかり焦る。 まだか…! |
by おすもーさん
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11月 2017
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