(4KVDA編を最初から読む方はこちら) 制限時間の約8時間前にベースキャンプに到着。 3日目は出発直後にいきなりロストしたが、 急いだのが功を奏してリカバリーできた。一安心。 ベースキャンプの到着時点では 毎日1時間ずつ貯金が増えている。いい傾向だ。 制限時間まで余裕がありすぎるとダレてしまうけど 時間に追われすぎるとレースを楽しむ余裕を失う。 「4Kをお相撲ラン」というのは 自分にとって、ちょうどいい難易度だと感じる。 ベースキャンプに着くやいなや、大歓迎される。 写真タイムが続いたあと、ベッドのテントへ。 今朝の荷物準備は時間がかかりすぎた。 その反省を活かして、そそくさと寝る準備をする。 Cさん・Fさんもベッドテントにやってくる。 このテントでは初めて会う日本の方も何人かいた。 これまで、初日・2日目と3時間ずつしか寝ていない。 それなのに、まったく眠くない。 とはいえ、睡眠時間が足りてるわけはないので 今日は4時間寝ようと決めて、20時に寝る。 zzz 0時に起きる。 テントの暖房の音が大きくて、一度目が覚めたが これまでに比べればよく眠れた気がする。 日本選手はほとんど出発していた。 Fさんがちょうど出発するところだった。 ソックスを履く時に、左足の薬指の先端に マメができて、つぶれていることに気づく。 痛みが全くなかったので、これまで気づかなかった。 悪化させるとヤバそうなので、絆創膏を貼っておく。 ベッドテントを出て、食事テントへ。 寝る前に何も食べてなかったので、しっかり食べる。 深夜もお相撲さんは大人気で シェフ達と一緒に写真をとりまくり。 ランナーのためにいろいろしてくれるスタッフの方達が、おかしな格好をした奴を見て、多少なりとも笑顔になってくれるのなら何より。 これまで、カメラを向けられていることに気づいたら テンション高くポーズを取って全部対応してきた。 けれど、ケガをしたり、時間に追われたりすれば そうもいってられなくなる。 最後までこのテンションでいけるように 安全に、着実に、進んでいこう。 ベースキャンプを1時過ぎに出発。 今日はひと山超えて、また上ったあとは 細かくジグザグするだけ。 前半をクリアすれば、あとは楽そうだ。 まず夜のうちに、ひと山超えないといけない。 13km。長い。 相変わらず、前後に選手はいないので、 ロストしないように気をつける。 睡眠時間の3時間と4時間の差は大きいなと感じる。 元々眠くはなかったが、頭がシャキッとしている。 とにかく眠くない状態をキープしてレースを続けたい。 アンドラの時みたいには絶対にならないように。 深夜に一人で山道を淡々と進んでいても ラジオを聞いていれば退屈しない。 このレースでは「R101」という局をよく聞いた。 番組の中で、しばしば 「エーレ チャント ウーノー」 と言っていたが、放送局の名前だったんだな。 ちなみにこの局の周波数は101。わかりやすい。 深夜の時間帯は「Urban Night」という番組で MCなしで、ひたすら曲を流し続けている。 知っている洋楽もよく流れるので ラジオにあわせて歌ったりしながら上っていく。 夜でもピークにスタッフがいてくれる 4時に標高2508mの「Col Bruson」のピークに到着。 ベースキャンプから約3時間。けっこう長かった。 簡易エイドで一休みする。 寒いし、下りは水をあまり飲まないので、水は補充せず 下りの途中で、ペツルNAOの電池が切れそうなので ヘッドライトを予備のsprabeamに交換。 なんか暗い。光量の違いを実感する。 明るいのは正義、暗いのは悪だ。 上りはそんなに明るくなくても問題ないので 上りではペツルの光量を抑えめにして バッテリーを長く持たせるようにしよう。 6時頃。まだ真っ暗。町まで下りてきた ここからロードを進んでいく。 左側の歩道を下っていくと、左斜上の道に進む矢印が。 目立つように、道路に3つも矢印が書いてある。 ここを上った先にエイドがあるのかと思い、上っていく しかし、しばらく進んでもエイドが見えてこない。 このレースは、トレイルが終わって町に入ってから エイドに着くまでが長いことが多い。 今回もそうなのだろうと思って、そのまま進んでいく。 明らかに次の山に向けて上りが始まっている。 どうやらエイドをスルーしてしまったようだ。 戻るか...? 分岐からだいぶ進んできてしまったので なんか戻る気になれない。 とはいえ、このまま進んでいくと タイムペナルティを受けるかもしれないし、 ゴールしても完走扱いにならないかもしれない。 どうする。 ここで、スタート前に決めたレースの目的を思い出す。 「楽しい時間を積み重ねること」 エイドをスルーしたとはいえ、 さすがに途中でレースをやめさせたりはしないだろう。 レースが続けられるのなら、ゴールまで行けたとして、たとえ完走扱いにならなくても目的は達成できているから満足できるだろう。 そう考え、そのまま進むことにする。 8kmの上り エイドをスルーしてしまったので、 水を補充できていない。 山頂の簡易エイドでも補充してこなかったので 残り200mlくらいしかない。 まだ気温低いからそんなに必要ないけど とはいえ多少は要る。ここから上りだし。 水を補充できるような川があるといいんだけど... 中国の女性ランナーに抜かれる。 太もも裏に湿布を貼ったまま歩いている。 肌がかぶれないんだろうか...。気になる。 中国のおじさんランナーにも抜かれて、 「エイドはまだなのか?」 みたいなことを、女性ランナーと話している。 このおじさんもエイドをスルーしてしまったようだ。 上っている途中で、下からすごいスピードでやってきた オフロードバイクに抜かれる。 で、そのバイクの人がここで仕事してた。 通勤だったのね。 川を見つけたので、水を補充 日本の方(以降、Gさん)に抜かれる。 エイドはやはりそのまま下った先にあったと判明 ホットミールがあったんだって。 食べたかった... 9時頃に181km地点の「Vessonaz (Arp Damon)」に到着 5時間ぶりのエイド。 ここまでずっと歩きっぱなしで疲れたので イスに座って、まったりする。 温かいティーをもらって、 テーブルにあるナッツをひたすらボリボリ食べ続ける。 距離は3kmだけど、斜度が急 さて、行きますか コースは日陰なので肌寒い 向かいの山から太陽が出てきそう 眩しい! 足場の悪い急な斜度を上っていく ピークだ! 10時半に標高2788mの「Col Vessonaz」に到着 うしろも絶景で、 前も絶景! 絵になる景色の中をルンルン下っていく 184km地点のエイド「Bivacco Rosaire」に10:40到着 Fさん・Gさんがテーブルでパスタを食べてるので 私もおじさんにパスタをお願いする。 横にベッドルームがあった。 もう日中なので誰もいない。 夜は利用した人、多そう。 ここで寝る場合はたぶんお金払う必要がある。 ベッドに腰掛けて、パスタを食べる。 久々の温かい食事なので、体に染み渡るようにうまい。 「今日のヤマ場は終わりましたね。 あとはジグザグして終わりでしょー」 って、Fさんに話したんだけど、のちに、これは大きな勘違いだったと気づくことになる。 小屋を出るとき、入口にビール樽があることに気づき このレースで初めて飲んでみる。 うまいー!! 1杯のつもりが、3杯に... 出発しよう。暑くなってきたぞ ジグザグする5km お酒を飲んで、すっかりいい気分 景色も素晴らしいし、 幸せ!! もうちょいでピークだ 11時50分に標高2693mの「Col Chaleby」に到着 うしろからFさんがやってくる 下りますか~ 大きな池の横を通過 雲一つない快晴の中、 上ったり下りたりを繰り返す どこまでも道は続く~ エイドっぽい小屋を発見! 12:45頃に188km地点の「Rifugio Cuney」に到着 ビール樽がある! Fさん・Gさんがいた。 Gさんがすごい日焼けしてるのに気づく。 日焼け止めを塗れない体質だそう。それは大変... ちなみに私は毎朝、日焼け止めを塗ったけど それでもレース後はかなり黒くなっていた。 リップも1時間に1回くらいのペースで塗ったけど 唇はガッサガサに。 紫外線、恐るべし。 ビールを飲もうとしたら、サーバーから出てこない。 スタッフにお願いして、なんか力技で注いでもらった。 いやー、うまい! 外に出ると、Fさんがリクライニングチェアで のんびりしていた。 「天気いいし、景色いいし、酒飲めるし、最高!」 みたいなことを話した。 3km弱の下り。楽な区間だ ほろ酔いのため、ちんたらと下っていく ん、小屋があるぞ 水場があったので水浴び 亀のようなスピードで下っていると、Fさんに抜かれる 「いくらなんでも遅すぎじゃね?」 と思い、少しスピード上げる。 森林限界の下まで下りてきた 最近新設したっぽいミニ橋を渡る 次のエイドもビールあるかな~ 14時前に193km地点のエイド「Rifugio Magia」に到着 小屋の入口にFさんがいた。 Fさん 「ビールがめちゃくちゃうまい!」 私 「あとを追います♪」 飲んべえ同士で会話をして、小屋の中に入る。 奥にベッドがある。寝心地良さそう ここではチーズをかけたスープインパスタを食べる。 そしてもちろんビール! もう酒が止まらない。 こんな飲みまくって大丈夫なのか...? まあいいや。 楽しく行ければなんだって! 峠を越える10km弱の区間 しばらくフラットな道。ほろ酔いのためスピード激遅 牛が道をふさいでいる。迂回… あのてっぺんに行くのかー いつも上りは遅いんだけど、酔いも加わって、恐ろしくのろいスピードで上っていく。 酔いどれ登山… 小川で水浴び。気持ちいい! うしろから日本の方(以降、Hさん)がやってくる。 普段、他の選手と一緒に走ろうとすることはまずない。 ペースが違うからだ。 しかし、このときばかりは あまりにもペースが遅いので、ついていこうと画策。 抜かれたあと、話しかけながらついていく。 Hさんは2014年のUTMBのスタート前に私を見たそう。 意外な所で遭遇してたんだなー。 Hさんは両手同時にポールをつくスタイルで、 ひょいひょいと上っていく。 ほろ酔いの力士も、あれこれ話したりしながら 離されないように必死に上った。 標高2738mの「Fenetre de Tzan」に16時到着。 前のエイドから約2時間。上りきった達成感ある! 振り返って、「どすこーい!」と叫ぶ 山頂でHさんとお別れして、しばらく休憩。 ここまで2時間、直射日光を浴び続けている。 かなり暑い。 一旦、靴を脱いで、少しの間、足を解放する。 ソックスの上からでも、足が熱持ってるのがわかる。 下っていく。池に飛び込みたい... 牛のペア。君たちは暑くないのかい...? コース図をあまりよく見てなくて、 上りきったら、エイドにはすぐ着くと思っていた。 が、いつまでたってもエイドが見えてこない。 そして日陰がほとんどなく、あまりにも暑い。 仮装ランナーの正念場。 コースから外れた場所でも、日陰を見つけると そちらに移動して、何度か中休みを入れる。 エイド、まだ~? 遠くのほうにエイドらしき建物がたまに見えるけど だいぶ遠い所にあって、視力0.3の目ではよくわからず。 水が無くなりそうなので、少しずつちびちびと飲む。 今日のコースは、「後半は楽だ」と思っていたが 完全に間違ってた。 この区間、キツい... やっとエイドが見えた! 201km地点のエイド「Vareton」に18時前に到着。 前のエイドから約4時間。長かった... トイレで顔を洗って、さっぱりしたあと コーラをこれでもかと飲んだ。 エイドを出発するとき、すれ違いでCさんがやってくる 「この区間、長かったですねー」 と話した気がする。 下ってから上る5km強の区間 広い林道をしばらく下った後、左の細い道を上っていく すると、間違って林道を直進した海外選手が 「君の彼女が下っていってるから電話しろ~」 こちらに戻ってきながら、遠くから叫んでいる。 どうやらHさんのことを言っているようだ。 「いや、彼女じゃないから電話番号知らないー」 と応じると、笑いながら 「おっと、そりゃ失礼。でも大声で呼び戻せー」 と言ってくる。 上りを引っ張ってもらった恩もあるし、叫ぶか。 しかし、名前も知らないぞ。 なんて叫べばいいんだ...? 「ロストーーー!!!」 でいいのだろうか。 いや、これじゃ自分に言われてるのかどうか わからないよね。 思案していると、Hさんが林道を上ってくるのを発見。 どなたかが追いかけて声かけてくれたそう。良かった! お、日陰だ 涼しい! コース途中で、左に進む道のほうにフラグを発見。 しかし、青いビニルテープで通せんぼしてある。 どういうことだ...? 間違ったコースにつけたフラグを回収し忘れたのだと思い、左折せずに直進して下る。 しかし、次のフラグが見えてこない。 あのフラグが正しかったのだと考え直して、 来た道を戻り、コースに復帰。 あれは、家畜が入ってこないようにするためなのか、 元々貼られていたビニルテープのようだ。 紛らわしい! 遠くに小屋が見える。エイドか? 違った。でも応援してくれた! 日陰のおかげで、暑さでボーっとしてた頭が冴えてくる 朝から飲み続けた酒が抜けてきたのかもしれない。 あれはエイドかな...? 206km地点の「Rifugio Barmasse」に19時過ぎに到着 奥のソファに座って、コーヒーを飲む。 このエイドは4分の滞在で、すぐ出発。 下り4km強で、本日のベースキャンプへ さて、行きますか 左手はダムっぽい。水の音はしないけど 風が強い。 風に吹かれて頭も冷やされ、 酒も完全に抜けて、体が正常状態に戻る。 今日の宿まであと少しなので、タイムアタックだと思って、かっ飛ばして下っていく。 町が見えてきたぞ。たぶんあそこがベースキャンプだ すれ違うトレッカーに挨拶。町まであと少し! トレイル終わったー レストランの横を通過。店員さんと挨拶 子供が「こっちだよ~」と、細い道を誘導してくれた レッドカーペットだ! 20:15に212km地点の「VALTOURNENCHE」に到着。 建物の入口でGPSを預ける。バッテリー交換のようだ。 眼鏡の女性に建物の中を誘導してもらう。 バッグが超重いのに持ってくれた。片手で軽々と。 何かスポーツで鍛えてるんだろうな。 マッサージやってるホールを抜け、 廊下の階段を下った地下がベッドルーム。 2階に上がってシャワールームの横の廊下を通り、 一旦外に出て、食堂の建物へ。 食堂 ポモドロソースのパスタをお願いする。
スタッフとの写真タイムで10枚くらい撮られたあと 壁際のイスで食べる。 ここでBさんと再会する。初日の上りで抜いて以来。 途中でリタイアされたそう。それは残念… 初めて会う日本の方がいて、出発するところだった。 この方はそのあと日本人1位でゴールされました。 速い! 大量に汗をかいたのでシャワーを浴びたいところ。 でももう足首のテープがないので、我慢。 トイレ横でボディーペーパーで体を拭く。 地下のベッドフロアに移動して、21:30に寝る。 |
by おすもーさん
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11月 2017
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