ゴールまでの数キロを早送り動画で
(UTMB編を最初から読む方はこちら)
ゴール後に完走ベストをもらう。 「サイズはXXXXXLかな?」 陽気な兄ちゃんが冗談を飛ばしてくる。 写真のブースがあったが、並んでいたのと もう写真は十分撮られたので、ブースには入らず。 喉が乾いていたので、飲み物のブースへ直行。 そしたら、なんと缶ビールが! ゴール直後は意外とビールが美味くないことがある。 でも今回は炎天下なので当然うまい! 最高! 教会前の日陰でビールを飲みつつ、 Run+Trailの方から簡単に取材を受ける。 そのあと、衣装を脱いで宿へ。 ご主人にも「完走したの?おめでとう!」と言われる。 今年もレース後は後泊をせず、直帰。 空港行きの送迎車が17:50に宿の前にやってくる。 それまでにやることはシャワーと荷物整理くらいなので まずシャワーを浴びる。 そして、汗まみれの体をゆっくり洗っている時、 ドロップバッグを引き取っていないことを思い出す (やべ、今、何時だっけ・・) 17:30! あと20分しかない! 慌ててシャワーブースを出て、適当に体を拭いて、Tシャツ・短パンで宿を飛び出し、スポーツセンターまでダッシュ。 シャワー浴びたばかりなのに! 100マイル走り終えたばかりなのに! しかし、送迎の車に乗り遅れたら、予約してる飛行機に乗れず、新しくバカ高い航空券を買う羽目になる。 そんなことになったら 完走しても、負けたようなものだ。惨敗だ。 今日一番のスピードで必死に走り、 バッグを引き取ったのが、17:42。 時間があれば、パスタパーティーでまた食事したり できるのだが、そんな余裕はない。無念。 宿に向かう坂は斜度20度を超える激坂だが、 「あきらめなければ間に合う!」 まさにレースのような心境で宿までダッシュ。 レースでもこんな上りは走ってないよ!と思いつつ 必死に上っていると、送迎の車が横を通り過ぎる。 待ってーーー!!! 当然、車が止まってくれるわけはなく。 急がないと、無断キャンセルと思われて行ってしまう。 急げー! 完全に息が上がった状態で宿に到着すると、、 宿の前にまだクルマが止まってた! 「すぐ乗るからちょっと待って!」 急いでスーツケースを運び、 荷物を適当に放り込んで、車に飛び乗る。 なんとか間に合った... 車の後部座席でぐったり。 レース後にこんな全力ダッシュをすることになるとは... 爆睡しているうちに、ジュネーブ空港に到着。 宿で適当に荷物を詰めてしまったので、 空港のベンチで整理してから、搭乗手続きを。 ドリンクボトルに水を入れたままだったので 荷物検査でひっかかった。 手続きを済ませて、ラウンジへ。 去年と同じく、スパークリングワインを。 祝杯! 腹ペコなので、しっかり食べた後、 21時半頃の便でジュネーブを発つ。 アブダビで乗り継いだら、 なんとビジネスにアップグレード! UTMB頑張ったご褒美だ! まあ、離陸して食事した後に爆睡してしまって 気づいたらもう着陸で、なんかあっという間だったけど.. 無事に東京に戻り、2度目のUTMBの旅は終わった。 追記)RUN247で記事が掲載された!
追記2)2016年はネタ扱いで再掲!
<レースのまとめ> ■スケジュール 水曜 仕事終えて、夜に成田発 木曜 午後にジュネーブ着。シャモニー泊 金曜 18時にレーススタート 日曜 16:30レース終了。夜にジュネーブ発 月曜 アブダビでロングトランジット 火曜 成田着 当日受付もあるので 現地に金曜の朝に到着でも、走ることは可能。 レース後は、日曜夜の便で現地を発てば、 月曜中に日本に戻れる便もあります。 それなら、木・金・月の3日の有給で参戦可能。 ■宿泊先 去年も書いたけど、シャモニーのゴールゲートから 徒歩圏内の宿を手配することが重要。 今年は去年のリタイア後に泊まったドミトリーを3泊確保して、レーススタートのギリギリまでベッドでごろごろして体を休めた。これは大正解でした。 ■費用 ・エントリーフィー : 3万円(215ユーロ) ・航空券 : 9.4万円(東京⇔ジュネーブ) ・移動 : 6500円(47ユーロ)(空港⇔シャモニー) ・宿泊 : 約7000円(木曜~土曜の3泊) 合計:約13.7万円 今年は海外のサイトで航空券を早く手配して、 ユーロ建てでは安い価格で買ったんだけど、円安... まあでも、トータルで15万円以下ならよしとしよう。 ■レース中の注意ポイント ・今年から新設されたCombal手前の2つ目の峠は 足場が悪いので走れず、時間かかるので注意 ・フェレ峠の上りは落石あるので注意。当たれば即死。 ・シャンペのエイドの手前に上りがあるが、 けっこう長いので、「すぐ着く!」とは思わないこと ・完走目的のランナーは、2回目の夜に眠くなくても エイドで寝ること。個人的にはシャンペがオススメ。 ・上りが苦手な方は、シャンペのあとの山は注意。 段差の大きい上りが続くので、かなりキツい ・シャンペを制限時間ギリギリに出ると、 下りで渋滞に巻き込まれる恐れあり。抜くの大変 ・最後の山は日陰がないので 晴れてた場合は灼熱を覚悟し、水をしっかり持つ。 ・温かいスープが日本ランナーに不評だった。 私は問題なかったけど、期待しないほうが良いかも。 ・仮装で走ると、どえりゃあ楽しい こんなところですかね。 本当にたくさんの方に応援され、写真を撮ってもらい、 励まされて、ゴールにたどり着くことが出来ました。 ありがとうございました! 最後に。 レース中、特にエイドでは多くの方から応援されて その際はテンション高く応援に応えられたと思う。 一方、エイド以外ではどうしていたかというと 私にしては珍しく、かなり真剣に走っていた。 私の横を通ったランナーの中には、 「コイツ、おちゃらけた格好してるが、 まじでガチでやってるんだな...」 と思った方も少なくないと思う。 それには理由がある。 このレースは、昨年の汚名返上をすること以外に 内心、期するものがあったからだ。 あれはレースの半年前くらいのこと。 大戸屋でランチしていたときに、 高校時代の友人から突然声をかけられた。 偶然の再会。 話をするのは10年以上ぶりだ。 お互いの近況をあれこれ話した。 彼が「健康診断の結果が悪かったから最近走ってる」 という話をして、ランニングの話題になった。 その流れで、私が昨年のUTMBの話をして 今年も仮装で再挑戦する予定だと言ったら、 「お前、バカじゃないの...。 もし完走できたら好きなもの奢ってやるよ」 彼から呆れられた。 まずムリだと思っていたのだろう。 それから月日が流れ、 レースの1ヶ月半前のある日。 彼が交通事故で亡くなったというのを 人づてに聞いた。 通夜・葬儀は身内だけで済ませたらしく、 その知人もあとから知ったそうだ。 この年になると、近い年齢の人の訃報を 聞くことがポツポツとでてくる。 薄情な話だが、彼の死を聞いて泣いたわけでもない。 ただ、「そうか..」と軽い喪失感を感じた程度だ。 レースを完走したところで彼の供養になるわけでもないし、もう奢ってもらえるわけでもないんだけど、ただ、彼のためにも完走したいと思った。 そうしてレースの日を迎えた。 正直に言うと、 レース中に彼のことを思い出すことはほぼなかった。 走っているときは、次のエイドまで早く着くには どうすればいいかということだけを考えていた。 でも、大ピンチに陥った、最後の灼熱の峠で ふと空を見上げたときに、 「あの雲の向こうで、アイツが見てるかもしれない」 そんなことを思った。 そして昔のことを思い返しながら、 「絶対に音を上げるな。這ってでも前へ進め」 と、心折れることなく上り続けた。 どんなに暑かろうと、水がなかろうと、 あのとき最後まで心を切らさずに、歩を進められたのは 彼のおかげだ。 それは間違いない。 せっかく完走したのに、報告することはできない。 人が亡くなるというのは、そういうことだ。 話したいことを伝える相手がもういないというのは 本当に寂しいね… 機を見て、お線香をあげに行ってこよう。 UTMBのTシャツを着て。 おい、ちゃんと完走したぞ 三ツ星の寿司屋で腹一杯食う予定だったのに どういうことだよ、まったく いきなりいなくなるなんて聞いてないよ 寂しいじゃんかよ。 今度会うときに、レースのこといろいろ話すよ。 またな。 < 戻る |
by おすもーさん
<海外レース>
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11月 2017
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