絶景! このレースは距離70km、累積標高4410m。 7月におんたけ100km(累積標高5163m)を走って 調子に乗ってたと思うんですよね。今、思うと。 まあ、そういうときは大抵痛い目を見るわけで、 ご多分に漏れず、そうなってしまった私の2012、夏… _ _ _ 金曜の新宿14時発のあずさに乗り、 16時に茅野駅到着。 駅からは大会バスに乗り、約50分で会場に到着。 体育館で受付してから、説明会に参加。 70kmコースは、実は75kmあるとのこと。 さらっと言ってるけど、マジなのか…? 終了後、宿の方に迎えに来てもらい、車で宿へ。 一緒に乗った方とお話すると、 Fields主催の信州3大会すべてに出る予定だそう。 「制限時間14時間って短いですよねー」 と言っていた。 実は、このレースのことを全く下調べしてなくて 前月におんたけ100kmを完走してたのもあり、 (そうか? なんとかなるんじゃね?) と、その時は思っていた。 しかし、この方の意見は正しかったと あとで思い知ることになる。 宿に到着し、お風呂のあと、夕食をいただく。 ご主人とお話すると、 このペンションを始めて30年以上経つそう。 30年! すごい! ハンターが減っていて、鹿の対策が大変らしい。 ジビエ料理はあるけど、あまり広まってないみたい。 会話の波長があったのか、珍しく長話してしまった。 部屋で荷物整理して、24時頃に寝る。 レース当日は4時起き。 準備して、4:25に宿から会場まで送ってもらう。 同乗者の女性は、関西から8時間かけて来たそう。 去年からレースに出るようになったんだって。一緒! スタート地点に到着後、荷物を預ける。 スタート前。けっこう明るい。 5時にスタート! スキー場のゲレンデをひたすら登っていく。 走れる斜度ではないので、歩き。 上りきると、そこから走れるトレイルに。 一般ハイカーも使う登山道のようだけど、 朝早いので誰もいない。 ゼブラ山から先は、道が草刈りされてなくて、 足の着地点がよくわからず、走りにくい。 たまに石があったりする。ちょっと怖い。 うっかり石を踏んだりすると、捻挫する可能性がある。 草が朝露で濡れてるので、靴の甲から水分が入ってきて ソックスがしっとりしてくる。 道路に出てしばらく進むと、約13kmの第1エイド到着。 おやきが1/4に食べやすくカットされている。 おいしいし、お腹にたまるからいいね! きゅうり、バナナ、冷やしみそ汁なども。充実! エイドを出てからゲレンデを登っていき、 古峠から三峰山の山頂目指して登山道を上っていく。 まだ脚が疲れてないし、暑くもないので、 さくさく上っていく。 山頂は眺めがいい! 見晴らし良すぎて、はるか前を行く人が点々と見える。 なるほど、あそこに行くのね… 眺めのいい道をルンルン進んでいき、 「扉峠」手前で再びビーナスラインに出る。 道路左側の歩道を400m走り、 山腹に差し掛かるところに第2エイドが。約20km地点。 ここはペットボトルの水のみ。ボトルに補給する。 実は、近くに自販機と売店があって、 ソフトクリームが買えたらしい。 また来ることがあれば、今度は小銭を持ってこよう。 茶臼山(2006m)の山頂を目指して登っていく。 ここはきつい! そして暑くなってきた! 汗だくで上っていった山頂に、私設エイドが! 冷えたゼリーや、ナッツをいただく。 ありがとうございます! 「雲があるからまだいいですねー」 「そうじゃなかったら耐えらないっすわー」 といった雑談をしてから、出発。 ちょっと進むと、 牧場内を抜けて美ヶ原の台上に出る。 「塩くれ場」を通過後、美ヶ原のメインルートに。 ここからは「歩行区間」。 歩行区間の手前に、虎の着ぐるみを着た人がいて、 「あとちょっとで歩行区間だから頑張って走れー」 と応援していた。 歩行区間は、牛がいたり、鐘が鳴ってたり。 穏やかな風景が広がっていた。 歩行区間中に第3エイドがあった。約25km地点。 冷やし汁粉ってのがあった。 暑いので、「冷やし」が嬉しい! エイド後も、しばらく歩行区間が続く。 一般のハイカーさんもたくさんいた。 コース誘導員の指示に従って道路を横断。 物見石山頂上直下の岩場を下りて、 その後は林道をひたすら下る。 舗装路に出て、集落の道を進んでいき、 県道手前のT字路を左折する。 35kmのランナーはここを右折してゴールになる。 いいなー。 田園風景の中を走っていくと、 第4エイドの小学校に到着。37km地点。 暑いので何度も水浴びする。 ここは第1関門で制限時刻は13時。 着いたのは12:05。あんまり余裕ない。 距離はまだあと半分あるのに、7時間経過していて 制限時間14時間の半分を使ってしまった。 この先、進むペースは落ちていくから、 このままでは間違いなくゴールできない。 やばい! リタイアを申告している人が何人もいた。 小学校を出てすぐ、道路を横断。 国道142号を歩道橋で渡って、 発電所の横から水沢峠へと進む。 この峠の上りがエゲツナイ斜度! 高低図では小さい峠に見えるけど、 なんなんだ、これは! エグすぎる! なんとか峠を超えて、集落を走り、 国道152号を下からくぐり抜ける。警官がいた。 この辺りの道が日陰ゼロで直射日光浴びまくり。 暑すぎて、頭がボーっとしてくる… 道はフラットなので、最初は走っていたが、 暑すぎて後半は歩く。これはもうやむを得ない。 そして長門牧場への長い林道に入る。 林道は約10kmのゆるやかな登り。 ポールを使って、ひたすらてくてく進んでいく。 軽い熱中症だったのか、なんか足に力が入らず、 歩くペースが遅い。何人も抜かれる。 熱中症かもという自覚があったので、 水をこまめに補給していると、なくなりそうになる。 (水場ないかな…) とキョロキョロしながら進んでいくと、 下のほうから小川のせせらぎが聞こえてくる。 (飲みたい… 補充したい… 浴びたい…) と思うが、かなりの藪漕ぎで下らないと その小川にはたどり着けない。 足を滑らせればケガは避けられないので、 泣く泣く断念して、先を進む。 そうこうしているうちに、水がなくなってしまう。 ピンチ! 途中で、浅い水たまりを発見。 ボトルに上澄みの水をそーっと汲んでみるが どうやっても砂も一緒に入ってしまう。 いくらなんでも、これは飲めない。 首や腕にかけて冷やすだけにした。 水切れして軽い熱中症状態のまま、 いつまでも終わらない林道をよろよろと進む… (水… 水をくれ…) 急に景色が開けたと思ったら、 そこが第5エイドの長門牧場だった。52km地点。 冷えた牛乳とヨーグルトがある。 干からびていた状態だったので、染み渡る! ただ、水が残り少ないそうなので、 補給はボトル1本分だけにする。 なくならないように慎重に飲んでいかないと… ここの制限時刻は16時で、着いたのが15:30頃。 次の関門は17:30なので、 約8kmを2時間以内で走らないといけない。 「8kmを2時間って、普段なら楽勝ですけどね」 なんて周囲のランナーと話した。 引き続き、林間トレイルが続く。 比較的走りやすいコース。沢や湿地帯もある。 前後のランナーがほとんどいないため、一人旅。 途中、学校の横を通る。 グラウンドで小学生がサッカーやっていて、 (その元気をオラにちょっとわけてくれ…) って思った。 一般道に出る。 トレイルはしばらくなさそうな感じなので、 ポールをしまう。 しかし、約300m進むと再びトレイルに… 用水路を過ぎ、湿地帯を渡る。 大きな沢を通り、林道の方へ。 小川が何箇所かあって、 その度に水浴びする。気持ちいい! 時計を確認しながら、 (そろそろエイドかな…) と焦る気持ちを抑えながら進んでいると、 エイドの手前で強烈な登りが待っていた。 このレース、一番の斜度! 壁かよ! 途中、何度も休みながら上っていく。 終盤に来て、この激坂は鬼だ! やっとのことで上りきり、疲れきった足で進んだ先に 最終エイドがあった。60km地点。 時刻は17:10。制限時間の20分前。 なんとか間に合った! スタッフ曰く、 ここに着いた人は100人もいないそう。 ここは水が大量にあったのでしっかり補充し、 おやきをコーラで流し込む。 「それだけ食べられれば大丈夫だ! かなりギリギリだけどガンバレ!」 スタッフに励まされて、最後のエイドをあとにする。 エイドすぐのちょっとした登りのあとは、 しばらくほぼ平らなトレイルだった。 小川があったので、また水浴びする。 気持ちよすぎるー! うしろから来たおじさんも 「気持ちよさそうやなー」と真似して浴びてた。 足の筋肉痛がヒドイので、もう上りたくなかったが 最後に殿城山の上りが待っていた。 上りのスピードが遅いので、 うしろから追いつかれて、前を譲る。 (絶対に離されるな!) と言い聞かせて、必死にうしろをついていく。 さらにうしろから追いつかれので、また前を譲り、 上に着くまで3人組で、えっちらおっちら登った。 お尻の筋肉が火を噴きそうなほど痛かった… ここはもし1人だったら、もっと時間かかっただろう。 終盤は、前で引っ張ってくれる人がいると助かるね。 3人組でなんとか登り切る。 もうゴールの制限時刻まで時間がない。 上り以外はなんとか走れる状態だったので 「下りは走ります!」 と前の2人に伝え、前に出て走り出す。 尾根に出ると、車山の広い台上を進む。 もう日が沈み、暗くなり始めている。 途中、コースフラグが見当たらなくてロストしたかと 不安になったが、道は正しかった。 ヘッドライトを持ってるが、装着するのは面倒だし 時間をロスするので真っ暗になる前にゴールしたい。 走りながら「集中、集中!」と口にして、 路面に目を凝らしながら走っていく。 ゴールの制限時刻「19時」が刻々と近づく。 かなり暗くなった頃に、 ヘッドライトを点けてる紫ウェアの女子に追いつく。 うしろを走っていると、リフト降り場に着く。 ここからはゲレンデを駆け下りていくだけ。 (これを下りきればゴールだ! 急げ!) 紫女子を抜いて、猛スピードで駆け下りる。 まだこんなに走れる足が残ってたのかと自分でも驚く。 もうこの時点でほぼ真っ暗に近い状況で 路面はよく見えていなかったが、感覚に任せて走る。 そして、完全に真っ暗に。 ヘッドライトを装着すればいいのに、 「もうあと少しでゴールだから!」 と、そのまま進んでいくと、コースをちょっと外れる。 「こっちのほうが走りやすいですよー」 と近くのランナーに教えてもらい正しい道に戻ったり。 遠くからゴール地点のアナウンスが聞こえてくる。 「あと2分です!」 ゴールまでまだ、もうちょっと距離ありそう。 (間に合わないか…) と思いつつも、減速しないで走り続ける。 ゴール地点の明かりは見えてこない。 そして、19時を過ぎる。 対面から、2台の軽トラが登ってきて、 「大丈夫ですかー?」 と聞かれる。 どうやら遅いランナーを回収しているようだ。 自分はまだ走れるので、 「はい!」 と伝え、横を通り過ぎ、下りていく。 そしてようやくゴール地点が見えてくる。 まだMCの方がしゃべっていて、 「完走ではないけど、お疲れ様でした~」 とアナウンスされて、ゴールゲートをくぐる! やっと終わった~~~ 制限時間に間に合わなかったのは残念だけど、 最後まで走りきれたので、かなり満足感はある。 まあ、今の持てる力は全部出せた。 いやー、すごいコースだった。 ペットボトルの水をもらったあと、 奥で発車待ちの茅野駅行きバスのほうへ。 発車まで10分くらい時間があったので、 バスの近くで急いで着替える。 もらったペットボトルは一気飲みしてしまい、 近くの自販機で何か買おうとしたら、壊れてた… バスは19:30に発車。 とにかくお尻が痛くて、座席に座っていられない。 いろいろと座る姿勢を変えながらやり過ごす。 カーブ続きの運転で、ちょっと気持ち悪くなり、 疲れてたけど、まったく寝れなかった… 20:10頃に茅野駅到着。 駅前のデイリーヤマザキで、ビール500ml、ガリガリ君、アイスの実、おにぎり、ポテチを買う。 よろよろとした足取りだったので、 レジのおじさん 「大丈夫? ケガしたの?」 私 「あの、山を70km走りまして・・」 レジのおじさん 「えっ、70km!? お大事に…」 というやりとりをレジでした。 明らかに変質者のように見られたけど、 それはさておき、走ったあとのアイスは美味いね! 20:30発のあずさに乗り、新宿へ戻った。 レース後、完走率が35%だったと知った。 それくらいになるのも納得のコースだった。 でも(特に前半の)景色はいいですし、給食も充実してるので、エグいレースが好きな方はぜひチャレンジしてみて下さい! 自分もいつかリベンジするぞ! 追記)次の年の再戦記はこちら |
by おすもーさん
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