昨年、自身初のリタイアを喫した富士五湖。 リタイア後、あのときの屈辱を忘れぬように レースゼッケンをデスクマットの下に敷いた。 デスクに座るたびにゼッケンを目にし、 あれから1年が経った。 もう足が終わってるってのに、雨は降るわ、最後尾の車に追い立てられるわで踏んだり蹴ったりだったあの日。 その雪辱を果たす時が来たのだ。 「やられたらやり返せ!」 じいちゃんも昔そう言ってた。 そうしなければ、人としての尊厳を取り戻せない。 今回は何があっても完走する! じっちゃんの名にかけて! ところで、このレースは春のラン祭り第3戦目。 レース後は、中4日でUTMFが控えていて、 さらに中4日で萩往還もある。 できれば富士五湖は余力を残して完走したい。 ・・というレース前の思いとは裏腹に、 死力を尽くす激闘レースとなりました。 極寒レースとなった富士五湖の結果はいかに? _ _ _ 土曜昼頃に東京駅から河口湖行きのバスに乗り、 15時頃に富士北麓駐車場に到着。 駐車場から受付会場の体育館へ向けて歩いていると 「乗ってく~?」 通りがかりの車が乗せてくれた。なんて親切なの! お礼を伝え、体育館で降りて、受付を済ませる。 そして体育館を出ると、雪が降っている。 雪!? 明日はレース開催できるんだろうか… 送迎バスに乗り、去年と同じSAWAホテルへ。 喫煙室しか空いてなかったので、 部屋に入るとすぐに窓を全開にして換気。 のんびりと明日の準備をする。 夜に夕食を買いに、近くのコンビニまで外出。 外、寒すぎるぞ… 夜に明日の天気予報を見てみたら、 朝から雨。しかもかなり降るようだ。 朝9時が最も雨が強くて、午後は止むみたい。 こりゃ、スタートからレインウェア着なきゃだな。 走りやすさよりも防寒対策を優先しないと。 22時頃にベッド入るが、なかなか寝付けなかった。 レース当日は2:50に起きる。 いなり寿司などの朝食を食べて、チェックアウト。 3:25にホテル前から送迎バスに乗る。 予報通り、外は雨。けっこう降っている。 15分くらいで体育館に到着。 寒いので、ささっと着替える。 雨に濡れたくないので、多くのランナーが建物にいて、 体育館の入口は大混雑。 荷物を預けてから、トイレに行ってみるが大行列… なので、競技場のほうのトイレへ。 こちらは3人待ちだったが、並んでいる最中に、 「10、9、8、…」 スタートのカウントダウンが始まってしまい、 トイレをあきらめて、慌ててスタート地点へ。 ほぼ最後尾から、慌ただしく4:30にスタートする。 雨がしとしと降る中、 ゲストの岩崎恭子さんに見送られ、走り始める。 それにしても寒い。気温は0度くらいか…? 伊豆と伊豆大島で痛めた右膝は、あれから静養し続けたので、違和感のない状態には回復している。 テーピングもしっかりやったし、 あとは最後までもってくれることを祈ろう。 上下ともにレインウエアを着ているおかげで、 胴体は寒さを感じない。 去年は100均のカッパを着たが、 今回は新しいレインウェアを着ている。 初使用だったが、ばっちり撥水する。ナイス! 多少ムレるけど、これは仕方ない。 周りを見てみると、ランニングウエアの上から ビニルカッパを着てるだけの人が多い。 あれじゃ、寒いだろうな… ただ、グローブは失敗。防水用ではないので、 濡れて手が冷えてしまい、かじかむ… 雨用のグローブを買ったほうがいいな。 道に大きな水たまりがあると、その度に軽く渋滞。 みんな、歩いて迂回するので仕方ない。 雨は道に川のように流れていたり、 避けようがないほど、道全体が水浸しになってたり。 とにかく足は濡らしたくない。 暗がりの中、水たまりを避けつつ走っていく。 10kmを通過。 レインウエアのパンツが足にまとわりつくので 多少走りにくい。我慢するしかない。 心配していた右膝は痛みない。良かった! ずっと足元を見ながら走り、 水たまりを見つけてはサイドステップで避ける。 なんか足を消耗させてる気がする… ラジオでFMフジを聞きながら、淡々と進む。 去年はレース中に退屈することがあったが、 今年はラジオがあるから大丈夫。 スタートからすべて水たまりをよけていたが、 15km辺りで、うっかり靴を水没させてしまう。 冷たいー!! 18.8km地点のエイドでは たけのこの里をボリボリ食べる。 寒いからカロリーは多めに補給しておかないと。 20kmを2:08で通過。 ほぼキロ6分ペースなので、いい感じだ。 山中湖はキレイな桜が咲いていた。 エイドでもらったチョコを食べながら進んでいると、 白く細長い仮装ランナーに抜かれる。 あれは・・大根かな? かなり早い。 27.6kmの焼鳥ふじのエイドでは菓子パンを食べ、 ホットコーヒーを飲む。 気温低いので、温かい飲み物がうれしい。 ココアがあるエイドもたまにあった。 レーズンを口一杯に放り込んで、エイドを出発。 30kmを通過。 ラジオで東京FMのジョグリスを聞く。 ゲストは高橋尚子さん。おぉ。 長野マラソンは雪降ってるそう。 それよりはまだこっちのほうがマシか… 33.6kmのエイドに到着。 気温低くても、一応走っているので、 コーラを飲みたくなる。 でも、飲むと体が冷えて後悔する。 徐々に雨が弱くなってくる。 (早くやんでくれ~~) と祈りつつ、かじかむ手を揉み手しながら走る。 38.4kmエイドで、おにぎりと味噌汁をゲット。 味噌汁が冷えた体に染み渡る… おにぎりを配ってるお兄さんが元気良かった。 40kmを4:20で通過。いい感じ! そして、42kmを約4時間半で通過。 フルならここで終わりだけど、まだ半分も走ってない。 なんか右足首に違和感がある。 痛いというか硬い。反るように伸ばすと鈍く痛む。 着地がフォアフット気味になっていて、 着地衝撃が足首前側にかかってるのかもしれない。 もうちょっと、かかと側に荷重しよう。 登り坂を進んでいって、 51.6kmの西浜小中学校エイドに到着。 ここはよく覚えている。 去年はここからカッパを着たっけ。 預け荷物を引き取るが、着替えはせず、 背負っていたバッグを預ける。 雨がやんだらレインウェアをバッグにしまうつもりだったが、気温が上がらないので、雨がやんでも脱がずに行くことにする。 バッグはここまでムダに運んできただけだった。 まあ仕方ない。 日中もここまで寒いとは思わなかった。 エイドを出て走り出すと、 バッグがないので、体が軽く感じる。 走りやすい! ラジオでSUNDAY IN THE PARKを聞きながら、 快調に走っていく。 58kmのエイドに到着。うどんがある! 去年は並んでいたのでスルーしたが、 今年はそれほど並んでいない。 お腹が鳴っていたので、3杯食べる。うまい! 60kmを6:57で通過。 ペースは落ちてきているが、 エイド滞在時間もあるから、まあ許容範囲だろう。 うどんの食べ過ぎで、ちょっとお腹がタポタポする中、 西湖から精進湖へのゆるやかな下り坂を進む。 折り返してくるランナーと、すれ違い始める。 ほとんど100kmランナーで、112kmの人はほぼいない。 去年はこの辺りの上りを歩いてたなーと思い出す。 デビルマンのコスプレランナーを抜く。 あの格好でウルトラ走るって、すごすぎ… 70kmの本栖湖エイドが近づいてくる。 ここの制限時間は14:30。 100kmランナーは14:30までに到着して、 折り返していけば完走できる。 しかし112kmランナーは14:30までに本栖湖1周して 戻ってきていないと、完走は厳しい。 本栖湖は12kmあるので、 できれば12:30には関門を通過しておきたい。 しかし、実際に着いたのは12:40だった。10分遅れ。 預けてた荷物はあったけど、 着替える時間がもったいないので、引き取らず。 文明堂のカステラとコーヒがあるので 食べながら飲む。美味い! 食後はトイレで大を出して、すっきり。 朝、トイレで出せずにスタートしていたので、 エイド手前から催していたのだ。 そして、エイドを出発。 あまり時間の余裕はない。急ごう。 トイレで出したせいか、体が軽い! よく考えれば、それなりの重量のものを体外に放出したんだから、軽くなるに決まってる。 やっぱりスタート前にトイレ済ませなきゃダメだな。 アレが体内にあるまま走れば、それだけ重荷になる。 走るペースがキロ20秒くらい上がってる気がする。 軽量化の効果! 時間に余裕がないので飛ばし気味に走り、 14:10に本栖湖を1周してエイドに戻ってくる。 去年は本栖湖1周に2.5時間かかったが、 今年はほぼキロ6分ペースで走れた! 去年できなかったことが、できるようになると 成長を実感できて、とてもうれしい。 エイドでまたコーヒーとカステラを食べ、 ゴールに向けて進み出す。 本栖湖を頑張りすぎたせいか、 徐々に疲れが出始める。 ゆるい上りも歩きが増えていく。 90kmのエイドに15時半頃に到着。 うどんを1杯食べる。 去年はリタイアバスでここに来たけど、 今年は自分の足で来れたぞ。成長した! 筋肉痛が大きくなり、 定期的に屈伸を入れながら走っていく。 気温低いのもあり、大腿四頭筋がガッチガチ… 98km地点の西浜小中学校に16:30到着。 ゴールまであと14kmで、残り時間は2時間半。 ここで初めて、完走できるかもと意識する。 「最後に上りがあるから、油断しないでねー」 スタッフのおじさんにアドバイスを受ける。 なるほど、そうなのか。 エイドを出発。 上りはすべて歩き、平地の走りもかなり遅い。 疲れが隠せない。 脚は棒のようになっていて、 たまに信号に引っかかっても、むしろ嬉しい。 104km辺りから3km続くゆるい上りも全歩き… 107km地点のステラシアターに18:10到着。 直近9kmに1時間30分もかかってる。まずい! あと5kmを50分だから、キロ10分で間に合う。 しかしここからは長い上りだ… 水分補給して、急いでエイドを出る。 エイド後の上りは、みんな歩いていた。 しかしこのペースはキロ10分よりも遅い気がする。 これじゃ間に合わない! そこで、腕を伸ばして思い切り前後に振り、 遠心力を使って小走りを混ぜていく。 前にいる歩行ランナーを1人ずつ抜いていく。 残り3kmを切る。 足はもう完全に終わってるし、 大腿四頭筋が固まりすぎて、屈伸もできない状態。 しかし、そんなことはどうでもいい。 どうにかして体を前に運ぶんだ! ここまでずっとラジオを聞いていたが、 スイッチを切り、走りに集中する。 残り2km。 必死に進んでいると、 タイミング悪く、信号に引っかかってしまう。 1分のロス。まずい! 信号が青になると、覚悟を決めて、 キロ6分ペースで走り出す。 着地衝撃がつらい! でもここまで来て、間に合わないなんてイヤだ! 絶対に完走するんだ! ラスト1km。 上りが一段落して、やや下りに。 とにかく腕を振って走る。 下りでも、楽ではない。 着地衝撃が大腿四頭筋に響いてキツい。 でもあと少し! 耐えろ! ゴール地点の競技場からマイクの声が聞こえてくる。 足はもう限界なので、言うことを聞かない。 上半身で引っ張るしかない。 もうちょいだ! 腕を… 腕を振れ! そして右手に曲がり、北麓公園に入る。 この時間でもまだたくさんの人が応援している。 「おかえりー!」 「あとちょっと! がんばれ!」 そして、陸上競技場トラックに入り、 奥にあるゴールゲートが視界に入る。 ゴール手前の電光掲示板を見ると、、、 5分前! 間に合ったー!! 左手を天に突き上げて、ゴール!!! 去年の雪辱を果たしたーーー!!! 参加賞のバスタオルと、完走メダルを受け取り 豚汁をもらって食べながら、体育館に戻る。 荷物を引き取るが、着替えてる時間がないので、 そのまますぐバス乗り場へ。 19:20頃に北麓駐車場行きのバスに乗り、 10分ぐらいで到着。 駐車場のベンチで、ささっと着替えていると 年配の方に話しかけられる。 「なんとか5分前にゴール出来ました」 と話したら、すごく喜んでくれた。 「来年も来てくださいね~!」 と見送られて、19:40発のバスに乗る。 定刻通り、22:30頃に東京に着き、 2度目の富士五湖は終わった。 このレース、112kmの完走率はなんと38%! 最低気温0.9℃、平均気温3.6℃だから、 ビニルカッパじゃ、乗り切れないよね… なにはともあれ、なんとか完走できた! ただ、体力を使い果たすレースをしちゃったぞ。 5日後のUTMFは大丈夫なのか? 疲労… 抜けるかな…(不安) 追記)5日後のUTMFのレース記はこちら |
by おすもーさん
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